花吹雪 恋吹雪 ★★★

花吹雪 恋吹雪

花吹雪 恋吹雪

  • 発売日: 2007/04/05
  • メディア: DVD

花吹雪 恋吹雪
平成12年 宝塚バウホール星組公演(ビデオ)
作・演出:齋藤吉正
主演■安蘭けい石川五右衛門)、夢輝のあ(霧隠才蔵)、秋園美緒(初音、モニカ)

■伊賀の里の非人間さを嫌って抜け出した4人の下忍のなかに石川文吾と初音の姿があった。文呉はその後出合った仲間と義賊となり、五右衛門を名乗ったが、彼らを追う霧隠才蔵は執拗な追求を行っていた。五右衛門は抜け忍の途上で出会っていた木下藤吉郎が秀吉となり、初音を狙っていることを知り、敵対してゆくが、三成たちの奸計で初音は落命、五右衛門は復讐を誓うが・・・
■特に前半の抜け忍後の道中場面は東映アクション映画のような痛快な劇伴が次々に登場して快調で、一番の見せ場である。抜け忍4人のそれぞれの青春を描くというところに劇化の狙いがあるのだが、肝心の五右衛門について、強固な軸が見出せず、初音への愛もそれほど過酷な試練があるわけでもないし、母恋しの物語も忘れた頃に回収されるし、どうも後半部分が力不足。後半(第二幕)はモニカの登場が肝だが、初音との間に生まれた娘という設定も十分に生かされず、クリスチャンという性格も楽曲には生かされたが劇的には不十分。というかレーティングは大丈夫なのか?映画なら映倫で揉まれるところだろう。しかも、茶々の登場など、さっぱり必要性が理解できない。全編140分程度で、第一幕が80分くらいあるので、第一幕と第二幕の分量配分に無理があるのではないか。
安蘭けいは見事な超美形ぶりで、ひたすら単純にカッコいい。死に絶えたといわれて久しい正統派のヒーローはなんと宝塚に生き残っていたのだ。アップの凛々しいこと。

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