■実際のところ詐欺に違いないけど、その手口は実はいまだに不明なまま。その気持ち悪さも『世にも不思議な物語』のテイストと同じだ。
■今なら、ビデオ撮影でトリックがわかりそうに思うけど、当時としては相当念入りなトリックを考案したのだろう。でも、そのジャンル、奇術界隈の人に取材すれば、簡単にネタバレする気もするなあ。そこまでやればいいのに。裁判でもトリックの手口は明かされていない。
■水からガソリン事件は、薬瓶のすり替えが行われたと、大西瀧治郎は結論しています。でも、すり替えた本物の薬瓶がどこに消えたのか?物証は得られていない。でも、単純なマジシャン仕事ですよね。
■『世にも不思議な物語』では、1917年にチャールズ・エルトンという人物が国務長官の前に現れて、庭の水栓の水をガソリンに変えて車を運転するし、軍の専門家の前で同様にデモを成功させるが、その時本人は姿を消しているというもの。本書で紹介されているように、1916年にはルイス・アンリッチ事件があり、1917年のジョン・アンドリュース事件では米国海軍が舞台になるから、ドラマはこれらを下敷きに(かなり自由に)脚色したものだろう。(これらの事件は、日本の書籍等では紹介されていないらしい)
■本多維富(これとみ)という謎の人物は人生をかけて錬金術的な詐欺に取り組んだ傑物(?)らしいけど、その精神構造が興味深いなあ。一種の神がかり的な動機があるのかも?そもそも、軍を騙して、どの段階で利益確定してトンズラするつもりだったのか。特許を売るから先に入金してね、と言って着金を確認後、ドロンする気だったのか?天性の詐欺師の精神構造は謎だらけだなあ。
■なお、神託を根拠として当時の名士や経済人たちが大騒ぎした「富士山麓油田事件」というのも凄い顛末で、戦前の日本て、おもしろすぎ。
参考
戦前の帝大教授は、いろいろと騙されやすかったらしい。でも、これはホンマもん?


