基本情報
女賭博師さいころ化粧 ★★★
1969 スコープサイズ 83分 @アマプラ
企画:原田光夫 脚本:石松愛弘、井上芳夫 撮影:中川芳久 照明:泉正蔵 美術:高橋康一 音楽:鏑木創 監督:井上芳夫
感想
■シリーズ第12作で、なんだか複雑なお話なんだけど、要は、父にイカサマの濡れ衣を着せて自死に追い込んだ木壷の半次(大坂志郎)の「逆イカサマ」のトリックを、銀子(江波杏子)がいかに暴いて復讐するかというお話で、クライマックスは、音を聞き分けてイカサマ賽にすり替えたことを掴んで、何時いかにしてそれを暴露するかというサスペンスになっている。その段取りは、確かになかなか念が入っている。
■そこに至る人間関係が複雑で、江波杏子と緋桜のお秋(久保菜穂子)の、例によって(なぜか)レズビアン感を醸し出す師弟関係、その両人に八丁荒しの政吉(露口茂)が絡んでくるというもので、でも例によって人間関係は過去にこんな因縁があってね止まりで、あまり劇的には深化しないで終わる。露口茂なんて、え、もう死んじゃうの?という退場。大坂志郎が、これも持ち味の灰汁を発揮するけど、少し調子が乱れている気がするなあ。
■成田三樹夫は大した見せ場もなく、青山良彦はわりと目立つ脇役だけど、笠原玲子は意外と出番が多い割に、いつものように(?)雑な扱い。ほんとに自社の若手の扱いが雑で、あまり会社の愛を感じない。江波杏子は、もう完全にこの役、嫌だったでしょうね。冒頭のクラブで挿入歌の「眠れぬ夜のために」を披露する場面はもっとみせて欲しかったなあ。
■中川芳久の撮影は相変わらず狭い場所に人物を追い込む画角が得意で、建物と電柱の間に追い込んだり、路地に追い込んだり、支度部屋の隅に追い込んだり、シネスコ画角を使って、いかにギューと人間の距離感を圧縮するかを試している。それは完全にこのシリーズの映像の特徴になっている。
