■シナリオコンテストの入選作て、技術的にはほとんどプロ級ですよね。このシナリオもかなり良いと思います。明らかに坂元裕二チルドレンなので、会話のテイストがもう、そのまま。でも、嫌いじゃない。むしろ、好き。なので、軽快にすいすい読めて、楽しいシナリオ。
■構成も非常にオーソドックスで、主人公二人が生きづらさを抱えていて、一瞬人生シンクロしてゆくど、結局はそれぞれの道に戻ってゆくという王道の切ない青春ドラマ。二人のコラボの様子が、youtubeに勝手にアップされて一瞬バズるけど、悪意の反響のダメージがきつくて、しかも決定的に最悪な動画が流出すると、二人の関係は瓦解する。
■構成はシンプルで、各シーンが長くて、軽快な会話劇の面白さで見せる。そこは達者。ただ、誰の目にも坂元裕二のエピゴーネンに見えてしまうので、損してるかも。ラストなんか、坂元裕二の『花束みたいな恋をした』にそっくりですよ!
maricozy.hatenablog.jp
■そもそも城戸賞は(多分)映画のシナリオをイメージしているはずなので、本作はちょっとニュアンスが異なる。明らかにテレビドラマを意識して書かれている。一方で、ダンスと音楽のコラボという難題をテーマにしていて、映像化するには、そこを説得力をもってクリアできるか、という課題があって、シナリオだけで完結しない要素が多いのは、マイナスポイントだったのではないか。それでも準入賞なので、逆にいえばポテンシャルが凄かったということだろう。
■同時期にヤンシナで大賞受賞した『踊り場にて』と共通する要素が多いのも興味深く、舞踏とか正宗の名前とか、諸々要素が被っているけど、ヤンシナのほうが短い分、構成的にも緊密になっていると思う。テーマの深耕についても、意外と『踊り場にて』のほうが成功している。それに、なぜかテレビドラマ前提の『踊り場にて』の方が、視覚的表現を重視している。普通、逆じゃないかと思うけど。不思議だなあ。