感想
■昨年の『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は見逃したけど、本作は待ちに待った封切り初日第一回の鑑賞。呉美保だし、脚本が高田亮だし、悪いわけはないけど、予備知識なしで観ました。思ってたのとはちょっと違って、オリジナル作だし、終盤はかなりヒヤヒヤ、ヒリヒリする。
■主人公の小学生唯士は教室で強硬に環境保護問題を主張する心愛の気を引くために接近、地球環境問題についてオルグされる。ところが恋のライバル陽斗が登場すると、三人組は過激な行動に走る。。。
■子どもたちの生活環境は、実はかなり昭和的で、団地や駄菓子屋や専業主婦や、あえてそうした世界観で作っている。そこに、グレタ・トゥーンベリみたいな女の子を中心に置いて、三人のこどもたちが何をして、どこまでいくのかを、先鋭的に、多少寓話的に追求する。いろんな過去の映画やドラマを思い出して、『夏の庭』とか『ぼくらの7日間戦争』とか、山崎貴の『ジュブナイル』すらぼんやり脳裏に浮かぶけど、あれだね、TBSの『うちの子に限って』が近い気がする。なるべく子役演技を避けて、生の子供らしさを出そうとする姿勢、ドラマの寓意性。まさにあれだ。
■その結末については、ラブに回収した点についてなんだかテーマを卑小化したなあとも感じるけど、後味は良いよね。てっきり、心愛は、あの◯◯を踏み潰すかと思ったけどね!過激な運動家、心愛の家庭環境をどこでどの程度描くのか?これがずっと気になっていたのだけど、完全に隠すのかと思いきや、最終幕で瀧内公美を投入して、かなり凄いことになっている。会議室の場面、子どもが観ると、怖いのじゃないか?トラウマ案件?正直、大人が観ても、怖いです。非常にリアルなヒリヒリ感を演出していて、監督もきっと身近で実体験があるに違いないと見たね。実際にいるんですよ、あんな人!
■技術的な問題点は、子どものアドリブ的なセリフを生々しく録るために、セリフが判然としない部分があることで、これはちょっと厳しい。正直、字幕がほしい気がした。事件の顛末と波紋を最後まで描かず、若干宙吊り的に終わるやり方も、やっぱり『うちの子にかぎって』だよなあ。伴一彦の傑作。
