ジャージーボーイズ ★★★

Jersey Boys
2014 スコープサイズ 134分
Tジョイ京都

ジャージー・ボーイズ オリジナル・サウンドトラック
イーストウッド監督の最新作なんだけど、舞台劇の映画化で、しかも当初の監督が降りてしまったので、引き受けたという感じの取り組みで、決して悪くはないものの、いろいろと腰が引けた感じがあって、近年のイーストウッド映画の凄みは無い。
■楽曲の良さは折り紙つきなのでもちろん大いに楽しいのだが、演出の妙を味わうというよりも、ジョエル・コックスの編集の妙を楽しむ映画という気がうする。現場でそろえた膨大な素材を編集者が気持ちよく繋げてみましたという感じの作りに見えるのだ。
■なにしろ実在の主人公が製作にもタッチしているので、人間性や人間関係の掘り下げはあまりできない相談だし、正直ドラマとしては平板なものである。しかも、ゲイの身振りもあまりにステロタイプの演技をそのまま許しているのは監督の采配としては解せないし、なんだか調子が出ていないのだなあ。最近の大作ミュージカル映画とか音楽映画の一連の作品のなかでも、安然ながらあまり上位には来ないと思うなあ。

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