■米国初代大統領ジョージ・ワシントンは、実は食人鬼だった、というとんでもないアイディアを披露する問題作。正直、アイディアの劇化の部分が非常に凡庸で、ストーリーテリングの魅力はほぼ無いに等しいが、中心となるアイディアが、あまりにとてつもないので、呆れかえりながら、思い切りの良さに感心する。
■「ゾンビの帰郷」などを考えあわせても、このシリーズは非常に政治的な意図を明確に打ち出しており、製作陣はよほどの左翼らしい。よりにもよって、自国の建国の父をカニバリストに仕立てるなんて、罰当たりも甚だしいが、ラストの落ちはもっとストレートなので、もはやホラーでもなんでもなく、皮肉たっぷりな体制批判映画である。監督は、何故かピーター・メダックなのだが。