NANA ★★★

NANA -ナナ- スペシャル・エディション [DVD]NANA
2005 ヴィスタサイズ
TOHOシネマズ高槻(SC6)

原作■矢沢あい 脚本■浅野妙子大谷健太郎
撮影■鈴木一博 照明■上妻敏厚
美術■磯田典宏 音楽■上田 禎
視覚効果■橋本満明 合成技術■光学太郎
監督■大谷健太郎


 同じ新幹線で上京中に知り合い、同居を始めた二人のナナ。歌手デビューを目指すナナ(中島美嘉)の北海道での元彼は人気バンドのギタリスト(松田龍平)になっており・・・
 対照的な二人のナナの青春を描き出す少女漫画の映画化ということで、世界観に馴染むまでに30分以上はかかるが、平凡なナナ(宮崎あおい)の失恋から歌姫ナナが元彼と再会するにいたる後半はそれなりにしっかり見せる映画になっており、初見の観客にも十分納得できる映画には仕上がっている。
 ただし、各種映画賞多数受賞のはずの宮崎あおいの演技にいいところがなく、もっぱら中島美嘉が見せ場をさらっている。実際、松田龍平とのバスタブでのラブシーンはじっくりと長廻しで見せる演出も決まって、演技的にも見ごたえのある場面となっている。松田龍平は「恋の門」のほうがカッコよかったけどね。
 それ以外の若手のキャストは総じて馴染みのない顔が並び、特に演技的に秀逸なものも見られず、相当にマンガ的なキャラクターなので、違和感が拭えない。
 各所に細々としたビジュアルエフェクトが駆使されており、雪で立ち往生した新幹線のロングや、雪の俯瞰の情景、ナナの住むマンションの外観などはマットアートであろう。

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