欲望という名の電車 ★★★

A STREETCAR NAMED DESIRE
1951 スタンダードサイズ 122分
NHK BS2録画

■「風と共に去りぬ」で南部女の誇りとど性骨を演じたヴィヴィアン・リーに、南部の没落の象徴として乱脈な男遍歴を経て気が狂ってゆく女教師を演じさせるという露悪的な見世物映画。監督は舞台版も演出したエリア・カザンで、演技の質はいかに舞台的。ヴィヴィアン・リーもマーロン・ブランドも熱演するが、かなりオーバーアクトだ。
■貧民街に暮らす妹の元へ身を寄せる南部の元お嬢様で、男漁りがもとで故郷を追われた半狂気の姉の素性を情け容赦なく暴きたて、完全な狂気に追いやる残酷な男が若き日のマーロン・ブランドで、とにかく役者たちの演技の濃さで一度見たら忘れられない映画であることは確かだ。熱で油が浮き上がっているような濃厚なモノクロ映像も凄いが、撮影監督はハリー・ストラドリングだよ。先日の「ファニー・ガール」も手がけていたね。