カンフー・パンダ ★★★

KUNG FU PANDA
2008 スコープサイズ 92分
ユナイテッドシネマ大津(SC1)

■ドリームワークスのCGアニメはどうもキャラクターが可愛くないので敬遠しがちで、本作も主演のパンダはどう見てもメタボな中年おやじにしか見えず、しかも声優はジャック・ブラックだから、確かにその通りの設定である。ネット上では結構評判が高いようなので、一応観ておこうかと腰を上げたのだが、結果的には大体予想通りの水準作で、特に優れた映画というわけでもないし、カンフーが見たければ、「ドラゴン・キングダム」を観ておけば足りる。
■脚本としてもアクション映画の定石をふまえて書かれており、そつの無いものではある。シーフー老師とタイランの因縁の部分などには、アルカイダアメリカの因縁を思わせる部分があり、案外シリアスな師弟対決が用意されているのだが、悪の掘り下げ方では例えば「バグズ・ライフ」のバッタ軍団などのほうがアクション映画としてはよくできており、比較すると特に秀逸とも言えない。
■龍の巻物の種明かしも、寓話としてはありうるかもしれないが、なんだか根拠の無い自信に基づいて闇雲に突っ走れば、状況は打破できるものだという無責任な扇動にも見えなくは無く、子供映画としてはどうなのかと思う。むしろ、中年オヤジたちに対する応援歌として見たほうが納得できる。この作者たちはいったい何を狙っているのか?

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