特撮テレビドラマ雑感=2008/4/6=

■最終回を迎えた「キューティーハニー」は久しぶりに気合の入ったアクション演出に出演者たちの本気の取り組みがうかがえて、感動的だった。これまでにもあまり試みられなかった長回しのアクションシーンは、アクションとCG表現のマッチングとしては、世界的なレベルに達している。ハリウッド映画ではカットを割らないといけない貧乏症が蔓延しているのだが、本邦では役者の本気を活かす堂々としたアクション演出が可能なのだ。邦画がハリウッドを超えうる可能性はここに残されている。
■巷で話題の?「ケータイ捜査官7」は、昨今の若い衆はケータイにしか興味ないのか?という暗澹たる気持ちにさせてくれる企画だが、三池崇史の無茶な勢いはここでも健在で、予想以上の本気モードで突っ走る。テレビ枠ではありえないCGカットの分量は完全に映画並の作業量で驚嘆するのだが、男優陣に比べて女優陣が弱いのは、ちょっと心配だ。今後、金子修介押井守らが参加するらしいが、この物語世界をどう拡張していくつもりなのか、この枠組みで何が出来るのか、あまり期待しないで楽しみにしておこう。
■巷で話題になっているのか、いないのかすら不明な「宇宙船」奇跡の復刊第一号だが、未だに入手できていない。一応立ち読みはしたのだが、内容と値段がつりあっておらず、考え込んでしまった。先日の「東京大空襲」のミニチュアワークの舞台裏が特集されているあたりはさすがに本家の貫禄だが、「隠し砦の三悪人」は樋口真嗣のインタビューだけで、謎の雑誌「映像+」の3号で秋月城のミニチュア撮影の様子をルポしているのに比べると、弱い。恒例のイヤーブックが綴じ込まれているのだが、スタッフが脚本と監督しか記載がなく、資料の意味が無いのは困ったことだ。
■「映像+」の3号といえば、三池敏夫高橋勲による操演技術解説という謎の特集もあり、いったい誰を読者と想定しているのか、相変わらず謎だ。

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