深く静かに潜航せよ★★★☆

RUN SILENT, RUN DEEP
1958 ヴィスタサイズ 93分
BS2録画

深く静かに潜航せよ [DVD]
 第二次大戦中、豊後水道で日本海軍に撃沈された潜水艦の艦長(クラーク・ゲーブル)が復讐を誓って新たな潜水艦の館長に就任するが、その意図を明らかにしないせいで副長(バート・ランカスター)以下乗組員の不信を買うが、敵艦に正面攻撃をかけて成功すると一気に信頼を回復する。ついに豊後水道で遭遇した宿敵・駆逐艦アキカゼに同じ攻撃を仕掛けるが・・・
 潜水艦映画の超有名作だが、やっと見ることができた。たしかに傑作である。簡潔にして捻りの効いた無駄のない脚本。ふんだんにミニチュア特撮を使用したアクション映画的カタルシス。これに比べると、後の「クリムゾン・タイド」などもアクション映画ではなく、艦内政治劇に思えてしまう。
 潜水艦映画に駄作なしということわざがある、と巷間言われているようが、実際のところ潜水艦映画はどれも似たり寄ったりというのが実態ではないかと思われ、ひとつのパターンに嵌りこんでいるように見えるが、少なくともその先祖は確かに逸品である。
 円谷英二もかくやといった風情の豪快なミニチュアワークも魅力で、艦船の洋上爆発の様も大き目のミニチュアを使用した成果がよく出ており、派手な破片の飛び散り方がミニチュアのスケールが十分に大きいことを証明している。東宝特撮でもなかなかこのスケール感は出せない。

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