阿刀田高サスペンス「見えない窓」

阿刀田高の『東京25時』に収録された同名短編の関西テレビでのドラマ化。制作はG・カンパニー。1990年の作品です。
■脚本は鹿水晶子、監督はにっかつロマンポルノが終焉でテレビドラマに活躍の場を移した西村昭五郎。一種の透視能力を持った少年が入院した病院の過去や看護師の未来を透視したりするお話ですが、この少年は脇役で、担当する看護師と軽薄で浮気性のテレビディレクターとの人間関係がメイン。『東京25時』という短編集、あまり見かけた記憶がないので、原作小説も読んでいない。
■主演は懐かしのヒロイン相楽晴子で、非常に演技が初々しくて可愛くて仕方ない。その恋人で売れっ子テレビディレクターがそのまんま東。軽薄で誠実さのかけらもない色男役を器用にこなすからほんとに器用な人。脇役で芹明香土屋久美子、佐々木ふみ江、山咲千里が顔を見せるなぜか非常に豪華な配役だ。
■ただ、オオカミ少年の不思議な超能力の所以が何も触れられなくて、説明を省くためのギミックもなくて、普通に病院を退院して退場してしまいうので、相楽晴子のドラマのための便利な道具に使われているだけに見えてしまうから傑作とは言えないな。脚本構成上の問題だろう。西村昭五郎の演出は軽快で悪くないのだが。
■あとついでに、直木賞作家サスペンス『恋の残り』も観たけど、これは全くの凡作だったので、忘れることにしよう。原作はもちろん阿刀田高だが、あまりに平凡な着想だなあ。読んだ記憶もない。脚本:小森名津、監督:小谷承靖で、小川真由美天宮良甲斐智枝美、高沢順子が出演。小川真由美の芝居が臭くてかなり苦痛。

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