アンパンマンを呼んでこい!燃えるロボットアニメの快作『映画 それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』

基本情報

それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン ★★★☆
2024 ヴィスタサイズ 64分 @DVD
脚本:米村正二 音楽:いずみたく近藤浩章 キャラクターデザイン・作画監督:前田実 監督:川越淳

感想

■えほんの世界に呼ばれて妖精ルルンと怪物・すいとるゾウと戦うことになったばいきんまん。万策尽きたとき、彼は「アンパンマンを呼んでこい!」とルルンを自分のいた元の世界へ送り出す。。。

■もちろん『命の星のドーリイ』みたいな稀有な傑作はそうそう生まれるものではないけど、本作はなかなか見応えがある佳作で、設定はありきたりだけど、ばいきんまんの戦いぶりの描写に作者の異様なこだわりと真剣味が伺えるし、実際、かなり痛快。鉄器を鋳造して、木材を加工して、ついにウッドだだんだんを組み上げるプロセスで、すっかり感情移入する。それでもすいとるゾウにかなわず、ばいきんまんがついにアンパンマンを召喚することを決意する中盤(ミッドポイント)の展開は素直に燃える。

アンパンマンがえほんの世界にやってきても、すいとるゾウはあくまで強力で、一筋縄ではいかない。ばいきんまんはウッドだだんだんをウッドもぐりんにフォームチェンジさせる。まあ、監督のこだわりでこのあたりの変形プロセスも、CGの利を活かして非常に気持ちよく念入りに作画されていて、音楽がいまいち物足りないけど、とても快感で燃える。海底軍艦をイメージしたはずの、ドリルの大活躍はあっぱれな描写だ。

■正直、ルルンの薄いアニメ描写に比べて、ばいきんまんの表現に数倍の手間がかかっていると思う。監督の嗜好が露骨に現れているけど、それで良いよ。とても良い。


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