基本情報
さらば夏の光よ ★★★
1976 スコープサイズ 89分 @DVD
企画:周防郁雄 原作:遠藤周作 脚本:ジェームス三木 撮影:坂本典隆 照明:津吹正 美術:森田郷平 音楽:梅垣達志 監督:山根成之
感想
■親友で浪人生の野呂(川口厚)と暮らす宏(郷ひろみ)は、バイト先のロッテリアで出会った京子(秋吉久美子)に惹かれるが、野呂の京子への恋心を知ると、彼に譲ろうとする。。。
■いまや青春映画の古典と言っても過言ではないでしょう。日本映画史的にはまさにそうで、70年代を代表する一作。遠藤周作の原作をジェームス三木が大幅に改変して、『冒険者たち』を彷彿させる「聖なる三角関係」を描く。
■なにしろ『さらば夏の光よ』なのに真冬のお話で、最後の名台詞(でもあくまでサラッと口にするだけだよ)「わたしたちの夏はもう終わったのよ」と、いっとき奇妙な三角関係を形成した若者たちが、一人が欠けることで、バラバラになってゆく惜別の念を締めるから、まあそれだけで構築はバッチリだし、満足はするよね。「私はポテトじゃありません」とか「これがしらけずにいられましょうか----」とか、秋吉久美子のキャラを意識したと思われる名台詞も秀逸だったなあ。ジェームス三木、冴えてるぞ。
■とにかく郷ひろみのあの頃独特の軽薄なチャラい演技が絶品で、ジェームス三木が郷ひろみになりきって台詞を書いている気がする。でも、個人的には野呂くんに親近感を覚えるので、終盤の野呂の死の扱いが不満には感じる。これは何度観てもそうで、シナリオを読むと、ちゃんと彼の死後の火葬場の場面もあるのに、カットしたからそう感じるのだ。尺の都合なのか、あくまで郷ひろみを立てることを優先したからなのか、ここは明らかに映画の弱点だと思う。野呂の死と、そのダメージが希薄になった。
■ちなみに、ネット上の資料では音楽が大野雄二になっているけど、これは間違い。実際は梅垣達志で、後年『ヒルコ/妖怪ハンター』の音楽も担当してるね。他にも林ゆたかが出ていることになっているけど、実際は元大映の木村元。キネ旬の記事にはままあることだけど、かなり早い時期の情報で作品情報を書くので、直前で変更になることが多かったのだ。
