評判通り、工夫の足りない凡作『安珍と清姫』

基本情報

安珍清姫 ★
1960 スコープサイズ 85分 @アマプラ
企画:浅井昭三郎 脚本:小国英雄、島耕二 撮影:小原譲治 照明:久保田行一 美術:西岡善信 音楽:大森盛太郎 特殊撮影:今井ひろし 監督:島耕二

感想

■お馴染みの伝説を永田雅一が映画化した、それなりの大作で、市川雷蔵若尾文子の共演した力作(?)だけど、どう考えてもシナリオ段階から弱い凡作で、85分しかないのに、永遠を感じるほど長い。

大映京都伝統の民話路線(民芸路線)の一作だと思うけど、どうもシナリオの構築が弱い印象があり、例えば東映ならもっと込み入った作劇になりそうなところ、良くいえば非常にシンプル、実際は単調な展開になりがち。本作もその好例で、もっと工夫が必要だよなあ。安珍と一緒に旅をする道覚(小堀明男)という僧が自堕落で、女と駆け落ちしてしまう挿話は主人公と対比がきいて、良い工夫だけど、それ以降の展開はひたすら単調。

■純な安珍を誘惑する清姫の性格設定は、馬を駆って狩りをする活発で、傲慢な現代娘(?)で面白いのに、メロドラマとしても妙にのんびりしたもので、切実さがないし、瑞々しい若尾文子の魅力も弾けない。脚本も弱いし、演出も合っていないようだ。

清姫が大蛇に変化するあたりもまるでガメラのような水槽撮影で、世界観と合わないし、その後の特撮ショットもかなり微妙なものだ。まあ、大蛇の操演は、東宝特撮でもかなり難物だけど。

■これに比べると、たまたま次に観た『日本誕生』はよくドラマが構築ができているよなあと感心した。


参考

島耕二は当然いい映画を撮っているけど。
maricozy.hatenablog.jp
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