基本情報
大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス ★★★★
1967 スコープサイズ 87分 @TJOY京都(SC3)
企画:仲野和正 脚本:高橋二三 音楽:山内正 撮影:上原明 照明:久保江平八 美術:井上章 監督:湯浅憲明
特殊技術
撮影:藤井和文 合成:金子友三 照明:熊木直生 美術:矢野友久 操演:金子芳夫
感想
■前作は金銭欲に取り憑かれた男が自滅する話だったけど、本作は改心する話(まあ、前作でも本郷功次郎は改心するけど)。高度経済成長期に欲をかきすぎた男たちの、その人生の行方を追求するお話になっている。
■全体に4部構成になっていて、両怪獣の登場と、ガメラによる少年救出までで30分経過、ギャオスの名古屋急襲までで50分経過、人工血液による回転作戦までで70分経過、その後の15分間が山火事作戦とその顛末。そんな全体構成になっていて、もう少し本郷功次郎のドラマを厚くすればいいのだけど、そうするとあと10分くらい必要になる。
■再見して感心したのは、各パートの構成の秀逸さで、第1部は、基本設定から二子山にドラマの焦点が集中する様をカットバックでサスペンスフルに描き、両怪獣の登場を丁寧に描く。省略が効いているので、お話がサクサク進む。改めて観ても、非常によくできた作劇だ。さらに第二部で一気にスケールアップする畳み掛けるスペクタクルも傑作で、山内正の音楽の効果も抜群。第3部もさらにパワーアップして、奇想天外なギャオス掃討作戦が用意される。アイディアも振るっているし、ちゃんとサスペンスのきいた特撮演出も見事なもの。ミニチュア特撮の丁寧な表現がとにかく好印象だ。新幹線襲撃場面で、超音波光線で新幹線の天井がぺろんと剥けるシークエンスとか、アイディアも編集も傑作で快感。
■ギャオスの背骨が二本に別れているから声が共鳴して超音波を発するとか、故に首が回らないから背後が弱点とか、考えたモン勝ちの天才の発想。そんなこと、誰が思いついたの?ガメラは子どもを背中に載せて、回転せずに飛んだという会話から、対ギャオスの回転作戦を発想する展開も、紛れもなく天才的。高橋二三は、ガメラシリーズだけでその天才ぶりを発揮した、謎の脚本家なのだ。
■湯浅憲明の丁寧なカッティングもお見事で、本編と特撮を担当したので、シーンのつながりにマジカルな編集効果を生んだ。アクションつなぎとか、照明の接続とか、特に高度な合成やCGを使わなくても、カットは編集によってスムーズに流れる好見本。本多監督の演出と編集も凄かったけど、東宝ではあまりやらない手法がとられていて、流れるように繋いでいる。編集は増村組でお馴染みの達人、中静達治で、まあ見事です。
■ギャオスに真っ二つに切断される車に乗っている記者が、よく見ると仲村隆で、増村組ではわりと硬派な大役をやっていたけど、ここではむしろコメディ要員というのも珍味でした。相変わらずお馴染みの無表情で演じるけどね。
■なにしろ、本作をピカピカの状態でスクリーン上映に接するのははじめてのこと。これまでは真っ赤で傷だらけのプリントしか観ていなかった。まっさらなカラーで観られるのは、文句なしに幸福だし、ナイトシーンの暗さの具合はこれまでソフトによって、かなりニュアンスが違っていた気がするので、正確なレファレンスが出て良かった。これまでのソフトではナイトシーンが明るすぎる気がした。
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