さすがにクールで硬派な名作だけど…『ジャッカルの日』

基本情報

The Day of the Jackal ★★★☆
1973 ヴィスタサイズ 143分 @NHKBS

感想

アルジェリア独立を認めたドゴール大統領、許すまじ!彼の暗殺を企む極右組織OASは、組織メンバーでの直接襲撃が失敗すると、外国人殺し屋ジャッカルを頼ることに。。。

■大昔にビデオで観たはずだけど、なにしろドラマが薄いのであまり覚えていないのだな。実際、日本映画の普通の作法で作れば、もっと短くなるだろう。1950-60年代のハリウッドでも、もっと簡潔に刈り込むだろう。徹底したドキュメンタリータッチで、狙撃計画を描いたところが秀逸で、ちゃんと全体の編集としてメリハリはできているけど、特に導入がダレる。

■1時間のポイントでやっと有名な(?)試射シーンがあり、ここでぐっと心をつかむけど、そこまでがかなり長い、長い。冗長に感じる。その後は、フランス入国や、交通事故や、貴婦人との逢瀬や、ゲイのサラリーマン(?)との交流や、けっこういろんな事件が盛りだくさんでサスペンスが加速するようになっている。なにしろ、長大な原作だからね。ネタはいっぱいある。

■肝心の狙撃のシーンも非常にシンプルで、今の基準でみるとあっさりしすぎだけど、クールで良い。その失敗と、刑事の追撃と射殺の場面も端的な描写で、できが良い。今なら、もっとコテコテに水増しするだろう。このあたりの衝撃的な、文字通りぶっ飛ぶ銃撃描写は東宝の『東京湾炎上』にも影響ありだと思う。
maricozy.hatenablog.jp

■ゲイのリーマンがジャッカルの正体を知ったショックでロブスターをキッチンの床に取り落とす場面は、演出としては非常に良いですね。役者の表情ではなくて、画で見せる。手にしたグラスを落とすとかはありきたりだけど、まだ生きているロブスターというところに、気持ちがこもっていて秀逸。ちょっとした小道具の工夫だけど、効果が違うなあ。

■どうしても展開に冗長な感はあるけど、後年に及ぼした影響力は絶大じゃないかな。こうしたジャンルのお手本になったよね。


参考

maricozy.hatenablog.jp
こちらは完全な実録スナイパー映画。日本にもスナイパーはいた!
maricozy.hatenablog.jp

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