かなりメンタルでナイーブな傑作活劇『フレンチ・コネクション2』

基本情報

French Connection II ★★★☆
1975 ヴィスタサイズ 119分 @NHKBS

感想

■監督は前作を撮ったフリードキンだと思い込んで観ていたら、FはFでもフランケンハイマーだった!と、観終わって気付いた次第。ほぼ惚けてます。

■前作で取り逃がした麻薬王シャルニエを追って単身マルセイユまでやってきたポパイは、傍若無人の言動から地元警察に嫌われながらも捜査を進めるが、逆に一味に拉致されてシャブ中にされてしまう。。。

■綺麗に三部構成で、観光気分でマルセイユを楽しむ軽快な部分、一転してシャブ中にされる陰惨な中盤、瀕死の状態から奇跡的に復活して、シャルニエを追撃する終盤で、起承転結でいう「結」がない。シャルニエを射殺すれば、もう終わりなのだ。地元警官との別れとか、余韻とか、テーマの定着とか、そんなもん要らんだろ?というのがジョン・フランケンハイマーの主義。らしい。素敵。

■でもこれはフランケンハイマーの発明ではなく、邦画でも森一生の『続・座頭市物語』がそうだった。勝新が敵(城健三朗)を叩き切った途端に、「終」がスクリーンに叩きつけられる。これ、封切り当時の観客の反応が知りたいけどなあ。どよめいたはず。

■フランハイマーて、あまり知らないけど、有名な「影なき狙撃者」は観ていて、活劇監督といわれるけど、かなり精神的にナイーブな素材を扱う監督というイメージがある。本作も、中盤をたっぷりとポパイ刑事がシャブ中にされてゆく残酷な経緯を、実にリアルに描き出す。実際、鳥肌が立つくらいにリアルに怖いし、嫌です。人間の尊厳が破壊されてゆく過程を赤裸々に描き出す残酷劇。普通のアクション映画なら、もう少し誇張して、派手なメイクと野獣じみた演技で、紋切り型に、ある意味観客が受け入れやすいように表現するところだけど、本作は異様にリアルで気持ち悪いのだ。よく入念に演じたと思う。ジーン・ハックマン、これはさすがに凄いと思う。

■撮影は現地調達のクロード・ルノワールで、これもかなり良い仕事。ロケでパンフォーカスのカリカリと硬い画調がリマスターで冴えわたる。


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