男どもにパージされるお母ちゃんが、可哀想で…『普通の人々』

基本情報

Ordinary People ★★★
1980 ヴィスタサイズ 124分 @アマプラ

感想

■映画史的には傑作といわれている、ロバート・レッドフォード監督作。なにしろ有名作なので昔から観たかったけど、なぜか観る機会がなかったので、追悼の機会にやっと観ました。

■しかしこれ、なかなか奇妙な映画であり、ドラマ。全然、普通の人びとじゃない。敢えて逆説的にそう名乗っている気はするけど、当時の文脈の中に置かないと、なかなか理解できない内容だと思う。

■兄貴が事故死して、その責任を感じて精神病院に入院後退院したけど鬱々としている青年が主役で、その母親と関係がテーマになる。母親は長男ばかりを溺愛して、自分には冷淡だ。父親もついにそのことを認識して、お前は自分だけを愛している女だと言い放つ。(ひどい)

■主人公は人生で一番辛いときに母親にハグしてほしかった。それだけなのに、母親は距離を置いた。でも、そのかわりに精神科医のおっさんにハグされて、癒やされ、最終的に父にもハグされる。一方で、母親をハグすると、母親はいたたまれない気持ちで困惑するだけだ。その描き方は悪くないと思うけど。

■問題は、精神科医を便利に使いすぎで、職業倫理的にリアルじゃないし、問題ありだ。当時はそれで良かったの?さらに一番の難点は、母親の描き方で、単なる嫌な女になってませんか?実際、そんな母親はいると思うけど、単純に嫌な女、嫌な母親なのか?それでいいのか?なんで、兄弟に対する接し方にそんなに差が生じるのか、そこにドラマの核がありませんか?と問いたい。

■これ、かなり偏った世界観、人間観によるドラマで、そんなに普遍性があるか?と感じる。原作小説は女性作家が書いたもので、ある意味、そのことを前提として観る必要がある気がする。それにしても、相当ひねくれているよね。

■そもそも鬱々とした青年が、あんなに普通に友達たちと付き合うし、彼女もできちゃうし、ちっともリアルに感じないけど、それアメリカだからでは?ちっとも、普通じゃない! よね?


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