感想
■全く知らなかったけど、ブラムハウス作品なので、見ておいて損はないでしょう。監督は『ハッピー・デス・デイ』で有名なクリストファー・ランドンだし。
■実際、いまどきなかなかない、軽サスペンスの快作で、えー!とか、うそー!とか、ぎゃー!とか、そういった意表を突くことは何も起こらないけど、いい塩梅にサスペンスが継続する、実に心地よい映画。実質90分で、撮影はアイルランドのスタジオを使ったそう。
■初デートに高級レストランに行ったシングルマザーは、スマホのドロップ機能で、留守宅の子どもを人質にとったので、デート相手を殺すよう、何者かから指示を受ける。ドロップの届く範囲は、このレストランのフロア内だ。犯人は、ここにいるに違いない。。。
■実際、サクサクと展開するし、次々に難関を繰り出すし、一癖ある登場人物が何人も登場するし、お約束どおりの軽サスペンスを展開する。小道具を伏線に使って、クライマックスで活かす手法も意外性はないけど、堅実に効果的だし、全然悪くない。
■元夫のDVがモチーフになっていて、これが後半でちゃんと効いているのも偉いところで、家庭内虐待の何が問題かといえば「希望」を奪うことだと語らせたところは、なかなか真実味があるし、リアルな重みを感じる。ヒロインと、初対面の男との関係性をぐっと深化させる場面で、ドラマとしてしっかり成功している。そこはさすがだと思う。
■サスペンスとしての道具立てはそれほど斬新ではなくても、DV問題をさらっと、しかし的確な台詞でえぐり出した効果が大きくて、手堅い作りなのはさすがにブラムハウスだと思いますよ。
■残念なのは撮影がいまいちなことで、せっかくムード満点な摩天楼を望む座席なのに、窓の外の情景がいまいち地味で冴えない。主人公二人の基本となる照明も妙にフラットで雰囲気がないし、勿体ないことだ。窓の外は多分、LEDウォールだろうけど、もう少し凝ってほしいなあ。撮影監督はマーク・スパイサーだけどね。
■そうそう、登場する男たちがみんなヒゲモジャというのは、DV夫の風貌に似せた目眩まし効果かもしれないけど、いくらなんでもやりすぎだなあ。単純に絵面が単調だよ。