小松左京イズムは中国に継承された😭 顎が外れる中華SF超大作『流転の地球 -太陽系脱出計画-』

基本情報

流転の地球 -太陽系脱出計画- ★★★
2023 スコープサイズ 175分 @DVD

感想

■太陽が膨張し、いずれ太陽系が消滅することがわかったので、地球連合政府(もちろん中国が中心!)によって、約2500年(!)をかけて地球が他の太陽系に移動するという遠大な「移山計画」を実行しようとする未来世界を描く、気宇壮大な中国SFの超大作。もちろんCGだらけの超大作だけど、それにしてもスケールがでかすぎてクラクラする。しかも、本作は『流転の地球』シリーズの第2作で、前作の前日譚なのだった。知らなかった。第1作はネットフィリックスじゃないと観れない!

2044年には、移山計画ではなくデジタル生命化によって人類は生き延びるべきとするテロ組織が宇宙ステーションを襲撃、地球エンジンの試運転が危機に晒されるし、2058年には、月引力の影響を避けるための月追放計画が難航し、月面に集約した全世界の核弾頭を人力で起動するための決死隊が組織される。でも、その中に日本人はいない。。。中国からみれば、日本なんてその程度のものということか。あるいは、日本の特撮映画からの影響をつつかれるのが嫌で、敢えて存在感を消したのか。。。

■「通告しただけだ。意見は聞いてない!」中国代表は米国にさらっとそう言い放つ。移山計画は中国とロシアが中心で稼働しており、月爆破決死隊には50歳以上の宇宙飛行士が志願するけど、中国、ロシア、タイ、インドネシア等々はいるのに、日本はいない。。。すでに沈没してるから?おまけに、中国代表は周恩来そっくりだ。すべてが露骨で、地球の将来を何千年単位の長い目で心配できるのは、わが中国くらいのものだろう、違うかね?というメッセージ映画。今の米国を見てもわかるとおり、米国は目先のことしか考えてないだろ?みんな早く中国にひれ伏して、冊封を受けたほうが得だよ!という宣伝映画。

■とにかく派手な見せ場の釣瓶打ちで退屈はしないし、VFXもハリウッドレベルなので、単純に楽しいけど、ドラマ的にはもっと彫り込めるはずだよなあ。なにしろ3時間映画だからね。香港組のアンディ・ラウは知ってるけど、他は中国組で知らない人で、見分けがつかない問題もある。吹き替えだって、最近の声優は声に特徴がなくて、聞き分けが難しいし、なんだかなあ。

■当然ながらアイディアには『アルマゲドン』はもちろん、『妖星ゴラス』や『さよならジュピター』などの記憶が埋め込まれて、小松左京イズムも随所に感じられるところだけど、こんな異常なスケール、邦画では無理だからなあ。そりゃ、中国からすれば日本なんて眼中にないわなあ。でも、音楽だけは負けてないと思いますよ。『妖星ゴラス』の石井歓を凌ぐ映画音楽はそうそうありえないと思います!


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