映像はゴージャスだけど、作劇はいまいち。シリーズ第3作『浮かれ三度笠』

基本情報

浮かれ三度笠 ★★★
1959 スコープサイズ 98分 @アマプラ
製作:三浦信夫 企画:辻久一 脚本:松村正温 撮影:武田千吉郎 照明:斎藤良彰 美術:西岡善信 音楽:塚原哲夫 監督:田中徳三

感想

■濡れ髪シリーズ第3作。尾張藩主(小堀明男)の陰謀を知った吉宗(伊沢一郎)は、尾張の姫君(中村玉緒)を松平越前守の甥と結婚させて収めようと図るが、姫は父親の陰謀を証明する連判状を手に入れて、父を諌めるために尾張に向かう。。。

■なにしろ後年のプログラムピクチャーが90分弱だったのに、100分弱あるので、かなり込み入ったお話で、それがあまり有効に機能していない。正直なところ、前作のほうが脚本の出来は良い。特に、クライマックスの芝居の見せ場づくりは、さすがに映画的で上手かった。

■なにしろ市川雷蔵の正体は当然バレバレなので、意外性もないし、クライマックスの立ち回りが名古屋の普請場のナイトシーンというのは、工夫が足りませんな。本郷功次郎も、前作の方がずっと良かったけど、なんでだろ?雷蔵の軽快な演技も、玉緒のお姫様も非常に演技的には良いのだけど、ゲストの左幸子は前作の淡路恵子の粋な色気の前には、まったく太刀打ちできない。確かにこの人、色気がないのが持ち味の個性だった。

■ただ、大映が、というか邦画界全体が一番景気の良かった時代なので、西岡善信のセットはでかいし、カラーの発色も豪勢で、映像的には非常にリッチな映画。武田千吉郎の撮影も、宮川一夫と言われても信じるレベルの安定感で、前作より良い。ただ、配信原盤はなぜか画面の右端が褪色していて、黄ばんでいる。前作『濡れ髪三度笠』でも同様だったけど、なんで?


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