弾は背後から飛んでくる!シリーズ第2作『続・兵隊やくざ』

基本情報

続・兵隊やくざ ★★★
1965 スコープサイズ 91分 @アマプラ
企画:久保寺生郎 原作:有馬頼義 脚本:舟橋和郎 撮影:武田千吉郎 照明:中岡源権 美術:内藤昭 音楽:小杉太一郎 監督:田中徳三

感想

■前作で乗っ取った機関車は脱線、凸凹コンビは4242部隊に拾われるが、中尉(須賀不二男)は中国人捕虜を虐殺したり手籠めにしようとする悪党だし、世話になった八木曹長(上野山功一)は背後から射撃される…

■シリーズ第2作で、だいたいシリーズのフォーマットが見えてきた。大宮は超人的な体力でいくら殴られても不死身の男で、反撃に出ると無敵。ドラマ的なポイントになるのは、有田が上官の命令に正論で反抗する場面と、上官の不行跡の証拠を掴んで吊し上げるという見せ場。本作では、中国人捕虜の老人を八路軍のスパイと決めつけて、中尉が初年兵に銃剣で突き殺せと命じる。そこで有田が捕虜の虐待は違法行為だと正論で抗命するし、初年兵には違法な命令には応じ必要はないと呼びかける、惚れ惚れする見せ場がある。ここはさすがに田中徳三の演出も編集もシャープで冴える。

■上野山功一が珍しく人情味のある上官で登場すると、悪役として睦五郎が登場し、水谷良重の芸者を取り合うことに。睦五郎はまだガリガリに痩せているけど、さすがに迫力あるなあ。

■ゲスト女優が水谷良重小山明子という、なぜか妙に豪華な布陣。前作は淡路恵子だし、女優には力を入れるシリーズだったのだ。なにしろ北満地方の荒涼とした情景がメインなので、とにかくきれいな花が欲しかったのだな。最初の頃は。

武田千吉郎がかなりドキュメンタルなタッチを狙ったらしく、ロケ撮影のシャープさが強靭だけど、小山明子の顔は真っ白に飛び気味。きれいな盛りなのにひたすら下品で粗野な兵隊映画につきあわされる元松竹スター女優。創造社のために、旦那のためには頑張っちゃう、偉いお内儀さんなのだ。素敵。

■そうそう、冒頭の機関車転覆場面は、かなり本格的なミニチュアワークで描かれ、シンプルなセットもいいけど、造形、操演もいい仕事。『大魔神』の前だけど、『あしやからの飛行』の流れから、黒田義之とか森田富士郎が関わったのではないか。さすが、大映だなあ。


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