東野英治郎も藤村志保もいいのに、終盤が惜しい!シリーズ第15作『座頭市鉄火旅』

基本情報

座頭市鉄火旅 ★★☆
1967 スコープサイズ 92分 @BSフジ
脚本:笠原良三 撮影:武田千吉郎 照明:古谷賢次 美術:西岡善信 音楽:斎藤一郎 監督:安田公儀

感想

■仕込み杖が耐用年数をすぎているので、次に人を斬れば根本から折れると刀鍛冶に言われた座頭市は。。。

■というお話で、実にシリーズ15作目。ものすごいペースで量産されたわけですね。正月3日の公開なので、水前寺清子藤田まこと、と賑やかなゲスト趣向を盛り込み、ベテランの笠原良三がまとめ上げた一作。第2幕あたりまではさすがに見せるのだけど、広げすぎた人間関係を第3幕でほとんど有効に活かしていないから、あまり褒められない。

■刀鍛冶の仙造の東野英治郎は、さすがに芝居の見せ場もみっちり用意されるし、実はその娘の藤村志保も、やくざの親分に養女に出されて育ったので勝ち気な気性がよく描かれる。藤村志保の演技も素直に良いし、期待させるのだが、終盤はこのあたりの親子関係の決着は完全に捨象されて、勿体ないことこのうえない。

■第3幕は完全に殺陣重視で、勝新の見せ場は多いが、強力なライバルがいないので、持たない。冗長に感じる。めくらにゃ、回る眼がねえ!と決めセリフはいいけど、まあ単純な(勝新の?)思いつきですね。仕立て直した仕込み杖と役人の刀をすり替えている案件は、さすがにちゃんと効いてますけどね。そこは、さすがの笠原良三

■ただリマスターは比較的最近のものらしく、陰影もくっきり、それでいて暗部がちゃんと沈み込んだこってりした色乗りのリッチな画調で、これは素晴らしい。武田千吉郎というキャメラマンも実は地味ながらかなりいい仕事をしていて、本作も丁寧な仕事ぶりだと思う。



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