感想
■勝プロ製作だけど、大映が潰れたので東宝が配給したシリーズ第23作。勝プロ製作なので、配役が無駄に豪華で、森繁久彌と三國連太郎が登場する。どちらも、シリーズではおなじみのよくある役どころを演じるので、まさに役不足状態。でも、撮影現場はピリピリして、大変だったろうなあ。
■そこに大谷直子、高橋悦史がまたまたありきたりな役で登場するのだけど、お話のほうは何の変哲もない、いつもの座頭市。ただ、勝プロ製作になって音楽担当が刷新されて、一気に若返った。そこだけは見どころ、聞きどころ。
■異色なのは、酒井修が森繁の道楽息子役で登場するところで、かなり大きな役どころ。酒井は勝新の弟子にあたり、勝新の秘蔵っ子といわれたが、1978年にアヘン(!)所持で逮捕されたことから芸能界を退いたらしい。大映時代は渥美マリとつきあい、八並映子の世話になっていたともいうから、それなりにいい思い出を残せたのではないか。むしろ、早めに勝新から離れていたほうが、良かったのかもしれないが。そして、酒井の後釜が松平健ということになるのだろうか。
■三国の手下が石橋蓮司と蟹江敬三で、石橋は台詞も多いけど、蟹江はほとんど台詞もなしで、まだ扱いが小さい。勝新もまだ蟹江の仁(ニン)を掴みきれていなかったのだろう。
■監督は勝新の恩人、森一生で、ラストの断ち切るような終わり方は、ある意味トレードマーク。『続・座頭市物語』と同じ趣向。ホントに顔ぶれの楽しさだけで乗り切る(逃げ切る)映画なので、併映の『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』の方が、注目されることになるのも当然ですね。
