配役が無駄に豪華なシリーズ第23作『座頭市御用旅』

基本情報

座頭市御用旅 ★★★
1972 スコープサイズ 88分 @BS12
脚本:直居欽哉 撮影:森田富士郎 照明:中岡源権 美術:太田誠一 音楽:村井邦彦 監督:森一生

感想

■勝プロ製作だけど、大映が潰れたので東宝が配給したシリーズ第23作。勝プロ製作なので、配役が無駄に豪華で、森繁久彌三國連太郎が登場する。どちらも、シリーズではおなじみのよくある役どころを演じるので、まさに役不足状態。でも、撮影現場はピリピリして、大変だったろうなあ。

■そこに大谷直子高橋悦史がまたまたありきたりな役で登場するのだけど、お話のほうは何の変哲もない、いつもの座頭市。ただ、勝プロ製作になって音楽担当が刷新されて、一気に若返った。そこだけは見どころ、聞きどころ。

■異色なのは、酒井修が森繁の道楽息子役で登場するところで、かなり大きな役どころ。酒井は勝新の弟子にあたり、勝新の秘蔵っ子といわれたが、1978年にアヘン(!)所持で逮捕されたことから芸能界を退いたらしい。大映時代は渥美マリとつきあい、八並映子の世話になっていたともいうから、それなりにいい思い出を残せたのではないか。むしろ、早めに勝新から離れていたほうが、良かったのかもしれないが。そして、酒井の後釜が松平健ということになるのだろうか。

■三国の手下が石橋蓮司蟹江敬三で、石橋は台詞も多いけど、蟹江はほとんど台詞もなしで、まだ扱いが小さい。勝新もまだ蟹江の仁(ニン)を掴みきれていなかったのだろう。

■監督は勝新の恩人、森一生で、ラストの断ち切るような終わり方は、ある意味トレードマーク。『続・座頭市物語』と同じ趣向。ホントに顔ぶれの楽しさだけで乗り切る(逃げ切る)映画なので、併映の『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』の方が、注目されることになるのも当然ですね。


© 1998-2024 まり☆こうじ