さすがに飽きてきた!シリーズ第5作『子連れ狼 冥府魔道』

基本情報

子連れ狼 冥府魔道 ★★★
1973 スコープサイズ 89分 @BS松竹東急
原作:小池一雄小島剛夕 脚本:小池一雄、中村努 撮影:森田富士郎 照明:美間博 美術:下石坂成典 音楽:桜井英顕 監督:三隅研次

感想

■さすがに飽きてきたシリーズ第5作。例によって脚本構成は団子の串刺し状態で、同様の見せ場重視の考えかたでも、東映の脚本家ならもっとオーソドックスな再構成ができたのではないかと思う。黒田藩で愛妾に産ませた女児を男と偽って次期藩主に据えようと企んでいることを知った家臣たちはお家を守り、改革を断行するため拝一刀に刺客依頼するが。。。

戸浦六宏山城新伍、石山律、天津敏、内藤武敏などが腕試しを仕掛けて殺されてゆくが、どうしても単調だよね。クライマックスを飾る黒田面頬衆の襲撃はさすがに大チャンバラの醍醐味があるし、若山先生のノリノリの大活躍は見ごたえもある。でも本作で一番ぐっと来るのは、イケイケ感満載の新楽曲。これは第4作を更に上回って、映像自体よりも、音楽の高揚感で観てしまう。サントラ欲しい。

■柳生烈堂は遠藤辰雄から大木実に交代しているけど、存在感は露骨に低下している。鍵を握る高僧、慈海和尚の大滝秀治も無駄遣い感が漂う。この当時東宝映画にはよく出ていたけど、日活時代のほうが地味ながら凝った役柄だった。日活映画は基本的にリアル志向だからなあ。東宝では怪奇とかSFとかスリラーとかだから、全く世界観が違う。

キャメラはついに森田富士郎が登板するし、おなじみの望遠使いを披露して、当然悪くない。前作の宮川一夫より牧浦地志に近いタッチだと思う。特徴的なのは、大五郎の撮り方にそれぞれのキャメラマンの個性が出るところ。牧浦地志はほぼ盗み撮り的にドキュメンタリー的な子どもの表情を撮っていたし、宮川一夫はそれこそ動物を撮るように、それでも叙情的に撮っていた(さすがに名人芸)。やっぱり、前作『親の心子の心』は良かったなあ。


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