基本情報
殺人狂時代 ★★★☆
1967 スコープサイズ 99分 @アマプラ
原作:都筑道夫 脚本:小川英、山崎忠昭、岡本喜八 撮影:西垣六郎 照明:西川鶴三 美術:阿久根巌 音楽:佐藤勝 監督:岡本喜八
感想
■「大日本人口調節審議会」を名乗って殺人哲学を語り、精神病患者を殺人マシーンに改造する溝呂木博士(天本英世)を、水虫持ちの冴えない犯罪心理学講師(仲代達矢)が追い詰める。。。
■もともと日活映画用の脚本で、小林旭主演、中平康監督てな感じの番線だけど、企画が流れたのでそのまま東宝が買い上げたという珍しい企画。随分久しぶりに観たけど、なかなか面白かった。特に『ダイナマイトどんどん』の後だけに、余計にそう感じた。
■西垣六郎のモノクロ撮影がかなり秀逸。精神病院のセットも凄いけど、撮影がとにかく素晴らしい。低予算映画のはずだけど、田中友幸製作なので、自衛隊の演習場でどうかしてるレベルの、豪快な大爆発が炸裂する。『サンダ対ガイラ』の地下街セットを流用して殺しの場面を撮っているけど、まるごとロケ撮影にしか見えないから、西垣キャメラマン凄い腕だし、編集も秀逸。西垣六郎は、もっと評価されて良いキャメラマンだと思うなあ。
■岡本喜八のトレードマークの、キャメラを意識させる構図やカットつなぎは、かろうじてまだ馴染んで見える。後になると不自然に浮く手法だからね。とにかく溝呂木博士の繰り出す殺人マシーンの皆さんが痛快で、おなじみの小川安三や江原達怡の好演もとにかく楽しいし、霊媒師役の川口敦子が強烈だし、編集も含めてよく撮れてるよね。この時代に流行ったスパイものなどで、ユニークな殺し屋が大量発生したのだけど、今見ても、無邪気で楽しいなあ。
■そしてもちろん主役を食うのが死神博士、じゃなくて溝呂木博士こと天本英世で、当たり役。殺人と戦争が人間の本質だと独自の殺人哲学を語って、変な説得力があるのはもちろん、なにしろ長身痩躯のシルエットがモノクロ映画には抜群に映える。生一本、そのままで怪人ですからね。

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