■いくつか興味深いトピックがあるので備忘のためにメモしておきましょう。
そもそも「権力」はやくざの「見ヶ〆(みかじめ)」に似ている
■そもそも「権力」は市民が安心して商売できるように、力の強い泥棒にお金を払って強制力をもたせ、他の泥棒から守ってもらったことから発生した歴史があるという説が紹介されます。
■つまり、そのそも「権力」とか「税金」て、やくざの「みかじめ行為」「みかじめ料」そのものなんですね。全ての地域や歴史に当てはまる定義ではないと思いますが、あるいみ非常にわかりやすい説明ですね。やくざと政府は似ているということですね?やくざて、いわば「私設政府」なんですね。(「私設警察」は実在したけど。)
maricozy.hatenablog.jp
■まさに『七人の侍』の世界ですが、そう考えると、あれは「国家」の芽生えを描いた映画かも。今更だけど、戦後民主主義国家の原初の姿を描いたものですね。「勝ったのはあの百姓たちだ」とは、農本主義的なロマンとか階級闘争的なイデオロギーではなくて、まさに戦後民主主義の国民主権の原型を意味していたのか。いま気づいた。
日本は予算編成は密室的で、予算審議は期間が短い
■毎年、財務省で予算編成が行われるけど、欧米では国会で行われるべき内容で、そのプロセスが密室であるうえに、国会の予算審議の期間も相対的に短いそうです。根本的な大問題ですね。絶対に改善が必要ですよ。
■ちなみに、欧米では一般的に予算は法律なんだけど、日本では法律扱いにしていない。なぜかといえば、明治憲法のときに天皇の勅令の制度があったので、天皇が決めたことが予算という法律で変更できないように、予算には法律の力がないことにしたのが、そのまま今に至るそう。へー
お金持ちに課税しよう!?
■「借金は財政にどんな意味をもつか」の章が非常に興味深いです。ある意味、いちばん議論を呼びそうな部分ですね。
■政府の借金が増え、利払い費が拡大していて、その国が払う利金は国債をたくさん持っている金持ちにあつまるので、お金持ちの税金を増やして税収をあげるべきだといいます。そして景気が回復すると、お金持ちが増え、税収も自然増収として増えるので、財政再建が可能であると。
■さらに、アメリカやインドネシアに対する対外債権を大量に保有しているので、実は将来世代に大きな財産を残しているのだといいます。
■このあたりは、もう少し勉強しないと、なんとも判断がつかないなあ。お金持ちに強く課税すると、日本から逃げ出す問題もあるし、いまの米国なんて、借金踏み倒しそうなタイプだしなあ。このあたりは、諸富徹氏の著作も有意義で参考になる。
さいごに基本を確認
■さいごに、有意義なフレーズを紹介しましょう。「市場経済は効率を要求し、格差を容認します。一方、民主主義は公正を追求し、格差の是正を要求します。(中略)市場社会の政策には、効率と同時に、公平・公正という価値基準が重要である」という当たり前のことを再確認しておきたいところです。いま米国が世界中をむちゃくちゃにしてくれてるところなので。


