嫁が殺れと言うから殺したものの…『マクベス』

基本情報

Macbeth ★★★
1948 スタンダードサイズ 107分 @アマプラ

感想

■森で出会った三人の魔女に預言を与えられたマクベス、しかも嫁まで頻りに唆すから、つい勢いで王様を密殺して王座に座るけど、嫁さんは罪の意識から抜け駆けで発狂するし、魔女は新たな予言を告げ。。。

オーソン・ウェルズが脚本、監督、主演で撮りあげたシェークスピア劇だけど、非常に低予算で、シンボライズしたステージ撮影とか長廻しとかで凌ぐ。モノクロ映像も相当コントラクト強めで、技術的にもあまり良くはない。低予算丸出しともいえる。次作の『オセロ』のほうがリッチだったよね。むしろ、完全に怪奇映画に翻案すればよかったのに。

■ステージ撮影なのに仰った画角が多くて異様だけど、さあ成功しているかどうか。マクベス夫人を演じるジャネット・ノーランという女優は、本作が映画デビューらしいけど、後に『サイコ』でベイツ夫人の声を担当した人。本作でも、なかなか良かった。『蜘蛛巣城』の山田五十鈴より良いと思うよ。どうりで、なんとなく聞き覚えがある気がした。と思ったら、撮影のジョン・L・ラッセルも『サイコ』と同じだったよ!

■嫁がさんざん王様を殺ってしまえと煽るからそのとおりにしたのに、嫁のほうが先に発狂してしまうから、完全に梯子を外された形のマクベスは気の毒なことに。いや違うか。でもホントに、ひどい話だよね。悪事を唆したほうが先に精神崩壊するというのは、珍しいパターンでは?梯子を外されるほど怖いことはないよね。奈落に落ちるしかない。

■ちゃんと作画合成もあるけどやはりクオリティに難があり、それでもバーナムの森がちゃんと動くから、そこはそれなり。予算ないなりに頑張ったね。


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