基本情報
大コメ騒動 ★★
2021 ヴィスタサイズ 106分 @DVD
脚本:谷本佳織 撮影:南野保彦 照明:江川敏則 美術:倉田智子 音楽:田中拓人 VFXスーパーバイザー:鎌田匡晃 監督:本木克英
感想
■大正7年(1918年)に富山の漁村で起こった米の積み出し阻止闘争の史実を描いた謎の映画。夫が出稼ぎ中に沖仲仕の激務に従事する細民の女房たちが、米価格の高騰に耐えきれず、シベリア出兵を控えて北海道に積み出される米の積み出し阻止の実力行使を成功させ、米騒動が全国に波及したというお話で、本来なら独立プロダクションが製作する社会派映画のはずだけど、富山県全面協力で、エース・プロダクションが製作した。なので、監督も所属の本木克英が担当した。もともとは地産地消の町興し映画だったはずが、全国公開に格上げになった、とか曰く因縁がありそうな企画。
■実際、魚津港の積み出し阻止闘争がきっかけとなって、新聞が煽ったものだから全国展開し、都市部でも米騒動が勃発、炭鉱争議にも発展した。戦前期から戦後初期に活発化した都市暴動の一典型で、近現代史の重要事件。
■これを史実に比較的忠実にドラマ化するし、破綻はしていないけど、ドラマ性が弱いので特に感動もない。基本的にはコメディタッチで描くけど、それほど笑いも弾けないし、活劇的なワクワクがあるわけでもない。驚くのは、なぜか配役は豪華なのに、映像的にみすぼらしいこと。主役たちが漁村の細民だからというわけではなく、単純に映像が貧しい。むかしの16㍉で撮ったVシネマかと思うほど質感がスカスカ。松竹撮影所と東映京撮を使っていて、しかもパーマネントセットをほぼそのまま使っているので貧乏くさいというのもあるけど、撮影と照明とカット割が悪いのは素人にも明白。いまやシネマカメラが高機能化して、素人が撮っても映画っぽいルックになる時代なのに、敢えてむかしの低予算テレビ映画ぽいルックを狙ったのか?明らかに撮影が下手と感じた近年珍しい映画。
■主演の井上真央は作品選びが独特で、本人の意向なのか事務所の方針なのか、さいきんはマイナーな作品が多い。実は、明治大学で演劇を専攻した意識高い系(?)なので、こんな企画には喜んで飛びついたのだろうし、顔を日焼けで真っ黒にして眼をギラギラさせて演じるのだけど、あまりキャリアの足しになってないなあ。むしろ、今後は脇に回って、性格俳優を狙ったほうがいいのでは。
■本木克英の演出も、大ベテランなのに、なんでこんなに下手なの?というレベルで観ている方が困惑する。まあ、だいたい微妙な映画が多いのだけど。(でもデビュー作は良かったんだよ)
参考
デビュー作の『てなもんや商社』は不器用なりに良かった記憶が。
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
