■一方、後半戦は戦後高度成長時代に移って、そこから本気の戦いが始まった感じです。「原爆裁判」、「尊属殺重罰規定違憲判決」と大ネタを組み込んだ点と、それらに真剣に取り組んだ点、それによってドラマが加速したことは、総集編でも伺い知ることができます。NHKお得意の特殊メイク(もちろん、江川悦子)で被爆のケロイドを正面から描いた点も、好感度が高いです。「栃木実父殺し事件」などというエグい(性的)事件を朝ドラで描くというのも、随分挑戦的です。
■さらに、新潟篇でのサイコパス少女の世代を跨いだ因果物語という作為性の高いエピソードが効果的で、一気にドラマ的には高揚します。裁判劇じたいにはフィクション性があまり盛り込めないけど、主人公の思想や信条や倫理観を深耕するフィクション部分は工夫の余地が大きいし、それが相当にドラマとしての面白さに貢献したようです。本当にテーマ的にきれいに決着したのかどうかは、実物の放送回をみてみないと判断できないのですが。
■弱点は、とにかく配役が弱いことと、無理やりキャラ立てしようとした点で、松山ケンイチもまだまだ貫禄不足だなあ。女性司法修習生仲間の配役が弱いのは一番惜しいところで、内容的に硬すぎるので俳優事務所が尻込みしたのか?もう少し、華があって、演技が際立つ若手女優はいると思うがなあ。実際のところ、未熟な役者たちで手に余る大きすぎるテーマに挑んだという印象です(本編観てないので、かなり適当な感想だけど)。伊藤沙莉は大器だと思うけど、やはり脇が映えると思うがなあ。
■また特に、皆が年を取ってゆく年代記なので、リアルにやればやるほど違和感が際立ってしまうのは、いかんともしがたい限界でしょう。そこは『光る君へ』でも同じように感じましたね。
参考
ちょっとイキった感じで戦闘的な脚本家、吉田恵里香の出世作。
maricozy.hatenablog.jp
終わりよければ全て良し、的な?
maricozy.hatenablog.jp

