感想
■ブラムハウスとライオンズゲートのコラボで贈る、おなじみ「家」ホラーの小品佳作。幼少の頃に住んでいたけど記憶のない昔の家に戻ってきたヒロインだけど、義理の娘がチョンシーという熊のぬいぐるみを媒介に、邪悪なイマジナリーフレンドと遊んでいるらしく。。。
■というお話だけど、熊のぬいぐるみに悪霊が取り憑いて悪事を働くという、ありきたりのお話ではない。熊と遊んでいる少女が主役ではなく、その継母が主役で、彼女の人生についての物語。その家で過去に何があったのか、施設に暮らす彼女の父親は何を知っているのか、ご近所の怪しい老婆の真意はなにか。それらが徐々に明かされる。特に、約1時間経過のポイントで明かされるツイストがキレイに効いていて、その後は謎解きとファンタジー活劇に転調する。
■この転調が気持ちよく機能していて、ホラーというよりも、ダークファンタジーに近い。こうしたジャンルミックスというかジャンルの転調は最近多いよね。でも、わりと成功するメソッドだと思う。扉を開く儀式のツイストも上手くて、よく考えたよ。継母がほんとうの母親になってゆくというドラマを簡潔かつ的確に支えるアイディアで、えらい。ジェフ・ワドロウという監督、良いと思います。怪異描写についてはあまり新味はなくて、そちらは興味ないのかもしれない。なので、真正のホラー好きには物足りないかも。
■その意味では怪奇映画、恐怖映画としてのスタイルではないため、撮影は陰影も浅めで、薄暗いシーンにメリハリが足りない。いかにも怪しい老婆の、本心が期待取りに邪悪(?)なのも痛快でよろしい。大変結構でした。堪能しました。
■チョンシーの歌を大々的にフィーチャーしているのも楽しくて、エンディングでもしっかり聞かせる。シリーズ化ありきの企画らしいな。
参考
maricozy.hatenablog.jp
安心のブラムハウス作品は、とにかくたくさんありますよ。
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