理系女子舐めんなよ!巨大竜巻はわたしが消す!『ツイスターズ』

基本情報

Twisters ★★★
2024 スコープサイズ 122分 @TJOY京都(SC5)

感想

■SC5のスコープ・サイズ上映は、画面の上下が狭くなるタイプなので、ちょっと残念ですね。『ツイスター』の続編かと思いきや、そうではなく、リブートに近い内容ですね。というか、実質リブート企画でしょう。

■学生時代、竜巻消滅実験の失敗で3人の仲間を死なせたヒロインが、重い腰を上げて再び竜巻検測計画に参戦するが、竜巻チェイサーのイキったユーチューバーたちもやってきて。。。

■正直なところ、いまさら竜巻のCGとか見せられても何も感じないので、要はドラマがどの程度のものか?という部分が見どころなんだけど、これが意外と成功しているので、かなり楽しい夏映画。原案がトムクルの仲間のジョセフ・コジンスキーで、脚本はマーク・L・スミス。監督はリー・アイザック・チョンという人。

■中盤でケイトの参加しているチームの背後関係の胡散臭さ(これが実にリアルで、いわゆる「ショック・ドクトリン」とか「惨事便乗型資本主義」てやつ)が露呈して、一方、ユーチューバーチームの意外なボランティア精神が明らかになる。そのとき、ケイトはどんな選択をするか?というあたりで、一気に観客を引き込むツイストは非常に上手いと思う。この段階で竜巻被害を見せるのだけど、このあたりはもっと強調しても良かったと思うな。それによって、観客は感情移入が亢進されるからね。さらにその後のデートシーンが竜巻災害に急転換するところも、定石ながら上手い見せ場で、この呼吸はラストシーンにも呼応していて、燃える活劇精神だね。

■主演のデイジーエドガー=ジョーンズが大空を睨んで(空を見上げて気象を読むのが好きで、得意なのだ)オクラホマの原野にすっくと立つシーンがいくつかあるのだが、これが妙に良いシーンで、ベンジャミン・ウォルフィッシュがリリカルなピアノ曲をあてている。中学時代から竜巻を研究している理系女子ケイトの、科学する心が発露することの喜びを繊細に捉えた、いい場面だ。これがあるだけで、映画の格が上がる。


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