第二次特撮ブームの渦中、1971年夏の夕涼み番組『怪奇十三夜』備忘録

■1971年7月から9月の夏番組として日本テレビ系で放映された怪談ミニシリーズ。日本テレビ製作なので、制作は前年に設立されたユニオン映画で、日活芸能も協力しているし、スタッフにも日活系の人が散見される。そもそも副社長が日活の映画担当重役だった江守清樹郎なので、当然ですね。で、東京12チャンネル歌舞伎座テレビ室)が前年に「日本怪談劇場」で古典的な名作をいっぱい映像化したので、今回はオリジナル作が多め。

■前年に日活で『怪談昇り竜』を撮っていた石井輝男が参加したのが異色だし、久松静児なんかが登板するのも、日活系の人脈ですね。中川信夫とか石川義寛は、制作会社がどこであろうと、もうこのジャンルには欠かせない人。東映の佐伯孚治も、なんだか完全にジャンル系の働き手です。

■『怪談夕霧楼』とか『釘を打つ女』などのオリジナル作が意外にもなかなかの力作で、忘れられるには惜しい作品ですね。関西地方ではあまり再放送していないから、馴染みがないのかな。

#4 「妖怪血染めの櫛」

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#5「髑髏妻の怪」

宇野信夫の歌舞伎『髑髏妻』を翻案したもので、ドラマ的にはちょっとおもしろいけど、怪談としては消化不良。博打の借金のかたに置いてきた女房が入水して死に、やくざの親分に埋葬を頼まれた首吊り女の死体が落雷で復活!でもよくみると死んだ女房に生き写し、というお話はかなり奇抜で面白くなりそうなのだが、その後の展開に曲がない。脚本は下飯坂菊馬、監督は佐伯孚治。弓恵子の幽霊は、薄幸そうに見えないから、あまり映えないね。

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#6 「おんな怨霊舟」

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#10「怪談夕霧楼」

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#11「釘を打つ女」

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#12「怪談首斬り」

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