意外にも図書館にいっぱい置いてある有名本『縞模様のパジャマの少年』

■映画はむかし観てますが、原作小説が図書館にはたくさん置いてあり、意外とポピュラーな小説らしいことを知りました。基本的に子供向けの小説なので、サクッと読めます。しかも、内容も書きぶりもサラッとしてます。強制収容所ホロコーストがテーマですが、エグい直接描写はありません。子供向けだし、9歳の主人公の視点から理解できる範囲の書きぶりだから。

■でも、嫌なサスペンスが積み上がっていくように構成されていて、読み出すと止まりません。一気に読みます。そもそも、お話の中心的なギミックである「フェンス」は完全にフィクションでこんなに緩いものではない。ゆえにお話の訴求力がとか、ホロコーストを軽く扱っていいのかといった批判を呼びかねないし、実際、原作に忠実に描かれた映画では、終盤はちょっと微妙な感じになっていた気がする。「フェンス」はあくまで象徴であるという気持ちで読み通すことが必要でしょう。というか、少し考えればわかるけど。こうした「フェンス」は世界のいたるところに存在する。
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■『関心領域』は映画を観ただけで原作は読んでいないけど、やっぱり本作がベースにあると思うなあ。おばあさんの扱いとか、似てるよね。そして、ラストの一行の重み。

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