映画批評はこころのダイアリーだ!寺脇研の『昭和アイドル映画の時代』

寺脇研といえば、学生の頃からずっとキネ旬の邦画評論を続けながら、文科省のお役人でもあったという奇特な人で、しかも定年退職後には退職金(の一部)を突っ込んで映画製作にも乗り出すという、マニアの本懐かくあるべしという手本を示した人。そこは、素直に感服します。

■本書は、60年代から80年代の邦画各社のアイドル映画を、当時キネ旬などに掲載された批評を転載するかたちで編集されている。なので、封切り当時の生の空気を伝えているところが、貴重といえば貴重。年代的に、日活青春映画の路線はリアルタイムな対象ではないから、東宝や松竹や大映の低予算青春映画がメインになる。

■『俺たちの荒野』とか『あこがれ』とか『めぐりあい』とか、一応観てはいるけど、それらの周囲に点在する東宝青春映画の系譜は、いまだに一部しか観られていないので、涎が出るし、特に三浦友和を役者として早い時期から支持し続けた奇特な人なのだ。だから河崎義祐についても、多くの批評を残している。

■また大映の高校生番長シリーズとか高校生ブルースとか、当時どう観られていたのかの記録として貴重。正直いまだに一本も観ていない。『高校生番長 深夜放送』とか『高校生番長 棒立て遊び』とか『高校生心中 純愛』とか。帯盛迪彦て、いまだに未知の監督なのだ。でも、なぜか『ヤングパワー・シリーズ 大学番外地』はないんだよなあ。なんで?

参考

ホントはこっちの方が良いと思う。とにかく最初から最後まで観続けた人だから。

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