R領域は爬虫類の脳だ!佐野史郎が怪演する伝説の名編:世にも奇妙な物語「恐竜はどこへ行ったのか」

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■昔録画した古いVHSテープから発掘した30年くらい前のレアなドラマを記録してゆく新シリーズですよ。端的に言って断捨離、あるいは終活の一環ですね!

■さて、1994年7月に放映された「世にも奇妙な物語」の一編「恐竜はどこへ行ったのか」は知る人ぞ知る怪奇SFの名編です。脚本は中村樹基、演出は星護ですね。

自傷癖のある患者を研究対象に選んだ女子大生(松下由樹)は、同大学の元教授で地下三階に幽閉される田口博士(佐野史郎)に面会するが、博士はその眼前で目に見えぬ何者かに切り裂かれる。大脳生理学の研究者である田口博士は、R領域の研究を進めるうち、恐竜絶滅の秘密を発見したと主張し学会を追われて発狂したと聞かされるが。。。

■なんといっても、佐野史郎の怪演が有名なエピソードで、『羊たちの沈黙』を下敷きにした狂気の科学者を実にわかりやすく怪演する。当時のテレビドラマって、ジェットコースタードラマが流行して、目先の奇抜さを優先してエグい展開や演技を追求した時期で、今見ると完全に狂っているとしか見えないと思うが、じっさい当時からかなりイカれていた。なんぼなんでもようやるわと呆れながら観ていたのだ。イカれた海外ドラマの影響で、ほんとに勢いだけで作った無茶なドラマが多かった。もちろん、60年代や70年代の放送コードに引っかかるようなヤバさとは、また異なるレベルで刺激の上に刺激を重ねる悪ノリ実験が盛んだった頃。

佐野史郎は92年に「ずっとあなたが好きだった」の冬彦とかTBSがラブクラフトの名作をドラマ化した「インスマスを覆う影」(脚本:小中千昭、演出:那須田淳)で趣味的な怪演で自信を深めたあとの時期なので、やりたい放題。でもこのテンションの高さがないと成立しないかなりぶっ飛んだアイディアだし、また実に魅力的なアイディアなので、ほんとは映画化して欲しいくらいのネタ。

■おまけに清水紘治村松克己まで登場し、性格俳優総進撃といった贅沢なエピソードなのも、星護の趣味の良さだと思います。松下由樹もまだ若くてスマートだし、あんたジョディ・フォスターの役だよと言われて(多分)大真面目に演じる。佐野史郎のノリノリの怪演を見せられて、実際のところ呆れていたことだと思いますよ。ご苦労さまです!

■R領域の進化で危機回避能力を発達させた恐竜たちはどこへ逃げ延びたのか?アマゾン奥地で発見された新成分ディノペプチンがその秘密を開示してくれるのか?そこはどこにあるのか?非常に魅力的な大ネタなので、いつか誰かが映画化してくれないかなあ。

参考



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そうそう、既視感があると思ったら、これに似てる。スチュアート・ゴードンの名作『フロム・ビヨンド』いつの間にかブルーレイも出てる!

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