連続アストロなんとかドラマ!『スターウルフ』ぼんやり備忘録 (🔄 2021/9/15)

#1 さすらいのスターウルフ

ヴァルナ星の同胞たちを裏切った拳はウルフアタッカーに追われる身に。
合成カットが莫大なボリュームになっているけど、精度が厳しくて、かなり雑。線画合成も、この時期のデン・フィルムって、昔の飯塚定雄のアニメのタッチではなく、妙に事務的なんだ。

#2 銀河を駆けろ!バッカスIII世

キャプテンジョウの妻と娘がウルフの襲撃で死んでしまうウェットなお話。このエピソードは、後にあまり有効に機能していないと思うが。
宇宙を漂流する拳を拾って、ジョウだけが彼の正体を知るという設定も説得力がなくて、後々わざとらしい感じになる。

#3 今 果てしない宇宙へ

バッカスⅢ世号が地球を出港するのかと思いきや、なかなか飛び立たないで、ヤキモキする。特撮も小出しだ。
副長のリュウが闇討ちで拳をテストする。もっと男らしい奴かと思えば、意外と卑怯な曲者なのだ。
拳の元恋人でいまや敵同士のリージャが登場するけど、せっかくキレイなのにあまり生かされないなあ。あの変な金髪のかつらが邪魔なのだ。

#4 恐怖の恒星間航行

ついにバッカスⅢ世号がカラル星に向けて地球を飛び立つ。平田昭彦に長沢大もゲストで登場。でも長沢大って、あまりに地味すぎて。。。
宇宙港周辺のミニチュアワークはカット数が少ないけど、伝説的に凄くて、何度観ても感動する。佐川特撮の真骨頂。
人物のブルーバック合成もあるが、どうも普通のフィルム合成とはタッチが違う気がする。ビデオ合成だったのかなあ。それにしてはマスクがずれていたけど。

#5 スーパーウェポンの秘密

「恐竜戦隊コセイドン」からの流れで、佐藤蛾次郎が登場!完全に忘れていた。カラル星皇帝オデンジャー!本格宇宙SFなのに、ネーミングがダジャレというのが素敵だね。
なぜか特撮パートのキャメラマンが逢沢譲で、黒澤映画、成瀬映画、喜八映画でもキャメラを担当した、東宝の大物技術者ですが、もともと円谷英二の時代から特撮モノには縁が深かった人なので、違和感がなかったのかな。本放送のときも名前を見てギョッとしたけど。
照明は最初から原文良だし、神沢信一も参加しているし、特撮パートは東宝映像に下請けに出していたのかな。

#6 危険な宇宙案内人

ついにササール星の囚われ士官ヨローリン(村松克己)が登場。スターウルフといえば、ヨローリン。
でも拳とふたりで、ひたすら地味にカラル星の荒野を逃げ惑うだけで、特撮の見せ場もないからさすがに厳しい。
連続ドラマはいいけど、毎回ちゃんと小さなクライマックスを作らないと苦しいよ。派手は特撮が2、3カットあるだけで印象が違うのになあ。
特撮パートの撮影と照明はついにクレジットが出なくなった。

#7 愛と憎しみの宇宙

カラル星の荒野であっけなくリージャと再開してしまう。もっと盛り上がるはずなのに勿体ない扱い。
拳とヨローリンの凸凹珍道中が今見るとなかなか味わい深いものがあるが、相変わらず特撮は僅かで食い足りない。当時もそう感じた。カラル星を飛び立つときに、特撮の見せ場が必要なはず。

#8 死を呼ぶブラックホール

いよいよヨローリン大尉の姑息な性格が本領発揮で、小悪党ぶりを堪能。さっそくバッカスⅢ世を乗っ取ろうと画策するが、あっけなく失敗して小突かれる。プライドばかり高いけど、考えることがセコい小人物。他人事として観るには楽しいけど、今見ると身につまされる部分もあるな。
ブラックホールに突入するが、特撮の見せ場よりも本編の特殊効果(お馴染みの圧搾空気で顔がゆがむエフェクト)を強調する。観客が観たいのは、おじさんの変顔じゃなくて、佐川和夫の特撮なのに!

#9 熱と光の宇宙ページェント

ブラックホール突破の後遺症に見舞われるなか、死にゆく恒星デメテルに引き寄せられるバッカスⅢ世号は脱出なるか?
恒星デメテルの変貌を中心に特撮多めだけど、特撮パートの撮影と照明はクレジットなし。どうなってるの?

#10 宇宙を燃やす大激戦

ついに惑星ササールに着いたものの、ヨローリンは裏切り者として追われる身になっていた。祖国に裏切られた彼は復讐を誓う。
草野大悟と富川澈夫の六月劇場メンバーが特別出演的に登場するが、セットが貧弱で哀しいなあ。キャストは無駄に豪華だが。
久しぶりに大特撮を堪能できる意欲作で、スター・ウォーズ未知との遭遇を合体させた派手な宇宙戦はさすがに佐川特撮。見事な飛びっぷりを堪能させてくれる。
でも、このあたりは特撮パートの撮影と照明のクレジットがなくて、どうなってるの?本編の内山五郎が撮ったのか?

#11 未知の星の地雷原

惑星ササールに潜入したが、例のスーパーウェポンにたどり着くには謎の地雷原を越える必要があった。
ひたすら地味に奥多摩あたりでロケしたアクション編だが、あまりに日本的な風景なのでさすがに厳しい。
特撮もほぼ無くて、当時もがっかりした記憶がある。ダメだよこれじゃ。クレジットもなし。

#12 惑星ミサイルに賭けた命

ついに地下秘密基地でスーパーウェポンを破壊する爆弾をセットするが、ササールの国歌が流れるとヨローリンは直立不動で、祖国への本能的な忠誠心を惹起される。
という本作のもっとも感動的なエピソードだが、見直すと演出は雑だなあ。
ヨローリン死す!祖国に裏切られながら、それでも最後の最後に祖国への忠誠心に殉じる男の中の男。居丈高で小狡い小心者だったこれまでの汚名を雪ぐ見事な最期。これぞ男の死に様。終わりよければ全てよし!村松克己、バンザイ!ヨローリン、ありがとう!
何気なく科学者の役で北見治一も出てるよ。
でも、特撮はほぼ無くて、アクション編なんだけど、円谷プロは上手くない。

#13 大爆発0秒前

ドラマ的には前回からあまり進展がなく、スーパーウェポンに爆薬をセットしたけど、ササール兵に捕まったりしてなかなか脱出できないってだけの話。爆弾のタイマーが長すぎるよね、どう考えても。
バッカスⅢ世号のササール星からの脱出シーンの大特撮がいちばんの見所で、珍しく大規模なオープン撮影が行われ、豪快なミニチュアワークがたっぷり堪能できる。ここは本放送でもいちばん印象に残っている特撮シーンで、実にリアルで素晴らしい。
でも、単に火薬が爆発しているだけで、ホントなら大陥没シーンなども欲しいところ。
それでも特撮班の撮影、照明スタッフはクレジットがなく、ゲストの加地健太郎すらクレジットされないという混乱ぶり。
そうそう、ヒメこと谷川みゆきが演出的にフィーチャーされているのも見どころで、要所要所に綺麗なアップショットを積極的に多用して、なんとなく拳とヒメのドラマに見えるように仕立てている。このあたりは金谷稔監督のこだわりらしい。
しまいにはマシンガンもぶっ放すけど、もちろん『セーラー服と機関銃』の前ですよ!

#14 宇宙に浮ぶ黒い竜

視聴率が苦戦するなか、若干の路線変更があり、ロートル組(ジョウとリュウ)は脇へ外され、愛嬌ものコン8が投入され、若いもんがお話の中心となる、しかもかなり展開の早いサイモナイト編のエピソード。
ドラゴン星のバズカル将軍の依頼(脅迫!)で、白十字星からサイモナイトを持ち帰ることを約束するはめに。
斉藤浩子は覚えていたが、その姉役で立花美英こと中村れい子が登場し、あっけなく将軍に殺されてしまう。ああ、勿体ない。
ケンの「オレの心はおしゃべりなんだ!」なる迷台詞が登場。すっかりキャラクターも変わってしまったが、特撮は好調で、いつもの円谷特撮のタッチが味わえる。
特撮スタッフのクレジットも復活して、佐川和夫とは名コンビの佐藤貞夫が撮影に参加。さすがに軽快なわけだ。

#15 いん石群へ恐怖の突入

#16 二つの顔のサイモナイト

#17 いざ! 黒い星の決戦

第2クールから急激にテンポアップするし、毎回特撮の見せ場が用意されて、連続ドラマのフォーマットとしては正解だと感じる。
しかも、シリーズ序盤で残念だった、宇宙空間での星が流れるアニメ的な不自然な効果が見直しとなり、黒バックに辛うじて星空が見える程度の合成となったのは大正解だった。
加えて、宇宙空間での空中戦に派手はハレーション効果を合成したのも効果大で、宇宙空間に飛び交う光線兵器の応酬が非常にメリハリのある特撮場面になり、見栄えが大幅に向上した。
その上に、バッカス3世号の艦載機ステリューラーが唐突に投入され、小気味いいスピーディーな空中戦が演出できるようになったおかげで、佐川和夫お得意のアクロバティックな空中戦が展開する。
ウルフアタッカーの爆発もミニチュアの爆破ではなく、火薬効果だけを合成する方式で大いに効果を上げている。火薬効果にしても、明らかに『スター・ウォーズ』などの当時のSFX映画を参考にしている。日本映画ではあまり見られない、火花だけが大きく拡散する火薬だ。

#18 パニック!空気を盗まれた惑星

なんというかホントにいいところなしなんで、感想にも困りますね。
ジョウとリュウはすっかり脇役にどいて、若手とコン8が大活躍ですが、ドラマが冴えないので、なんとも。。。
宇宙戦シーンもほとんど使い回しで、一見派手にはなってますが、これではいけませんね。

冒険はつづく・・・

#19 ケンを狙う赤い流星
#20 純金ロボットGC301
#21 悲劇の宇宙恐竜ニポポ
#22 灼熱地獄・地底人を救え!
#23 謎の惑星半獣人
#24 大宇宙・宿命の対決

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