■特撮ファンならだれしもが東北新社と聞いて思い出すのは菅首相ではなく『宇宙からのメッセージ』に違いないでしょう。『スター・ウォーズ』の米国での大ヒットを受けて、『スター・ウォーズ』の日本公開よりも先に便乗映画を製作して封切るという日本映画らしい戦略で、同様に東宝は『惑星大戦争』の封切りましたが、映画としては『宇宙からのメッセージ』の方がずっと面白かったですね。
■この『宇宙からのメッセージ』を東映と共同製作したのが何故か東北新社なんですね。もともとは東映の企画開発だったけど、海外にマーケットを求めるために東北新社の植村伴次郎を巻き込んだということのようです。
■かように日本の特撮映画にはなぜか縁があるのが東北新社という会社で、VFX業界の大手、オムニバス・ジャパンも東北新社の系列会社として設立されたのですね。
■そして、東北新社には中島信也というCMディレクターが在籍していて、有名なCMを多数演出しましたよね。日清カップヌードルの「hungry シリーズ」とかサントリー の伊右衛門とか、有名作品多数です。
■知らぬ間に東北新社の副社長になっていたので、それだけでもビックリですが、このたび、業界では大手ですが、一般国民にとってはあまり知られていない東北新社という企業が政治スキャンダルで一気に電通なみの有名企業にのし上がり(?)、しかも社長が引責辞任したために、ついに社長に上り詰めてしまったという、誰も予想しなかった大波乱が起こりました。いや、だからどうしたという話ですが。
■何が言いたいかというと、中島信也は日本の特撮映画の歴史において結構需要なポジションで登場するということなんです。もちろん、90年代後半に入って、円谷プロで映画監督に挑戦するアレもそうですが、80年代後半から徐々にその存在感を醸し出していたのですよ。いまやあまり知られていないかもしれないけど。
■実はそのあたりを拙著『超特撮 vol.2』で少し書いていたので、興味のある方は是非読んでみてほしいなあと。そんな宣伝の意味でこの記事を書いた次第です。深い意図はありませんよ。もちろん政治的な意図もありませんし、中島信也の係累でもありません。