おバカ娘は何度死ねば人間的に成長するのか、実験してみた『ハッピー・デス・デイ』

基本情報

Happy Death Day ★★★☆
2017 スコープサイズ 96分 @DVD

感想

■極私的年末ブラムハウス祭りの第一弾。夏場にちょっと話題になった本作ですが、本国の公開は2017年なので、随分寝かされていたわけですね。というか、最近こうした小品があまり公開されなくなりましたよね。アメリカ映画はブロックバスターの超大型映画ばかりで、普通の規模のこじんまりとした映画がなかなか観られなくなりました。映画の未来にとって深刻に困ったことだと思います。
■さて、本作は明らかに『恋はデジャブ』を下敷きにしており、ちゃんと終盤に自分から白状してますからね。さすがに珍しいと思うけどね。
■素行の悪い女子大生が自分が殺人鬼に殺される一日を何度も経験するというお話で、その中でトライアンドエラー方式で殺人犯を追及したり、殺人鬼から救ってくれた男の子を好きになったり、というお話。監督はクリストファー・B・ランドンという脚本家出身の人。これが実に上手い人なのだ。
■現実から逃げて人生を舐めていた女子大生が同じ悲惨な一日を何度も経験するうちに、自分のことだけを考える人生ではなく、他人の存在を認識し、他人との関係性のなかで自分も存在することを悟るところが作劇の胆で、その反省が素直に共感できるものとして描かれているのがこの映画の優秀なところ。監督は述べていないが、明らかに黒澤明の『生きる』が参照されている。逃げ続けてきた父親と向き合い和解する場面で、父親から”誕生日おめでとう”と言われる場面は、素直に感動的だ。ほら『生きる』の有名な名場面を引用してるでしょ。
■脚本はスコット・ロブデルという人が書いてますが、さすがに凝っていて、ラストの殺人鬼との対決場面も捻っている。と思いきや、さらにツイストがあるのだが、面白いとはいえ、さすがにご都合主義のやり過ぎ感も感じるところ。このジャンルはやりだすときりがないからね。
■下品で脳みそ空っぽで意地が悪い女子大生をジェシカ・ローテが好演。よくぞここまでという不行跡のやり放題だけど、最終的にはちゃんと魅力的に変身しますからね、単純に面白い。