ショック!団地奥さんが転落死!?止まらない団地妄想の暴走!ザ・ガードマン『人妻のアルバイトは死を招く』

ザ・ガードマン 1970年度版 DVD-BOX(前編)

ザ・ガードマン 1970年度版 DVD-BOX(前編)

ザ・ガードマン 1970年度版 DVD-BOX(後編)

ザ・ガードマン 1970年度版 DVD-BOX(後編)

■ザ・ガードマンの第286話。昭和45年の作品。山浦弘靖&宮下泰彦の黄金コンビ(悪ノリコンビ?)による団地妄想路線の一作。

■夫(福田豊士)から顧みられない団地奥さんの寺田路恵は誘われるままにパーティコンパニオンのバイトに出るが、実は売春あっせん組織で、夫の勤める自動車会社のライバル社の幹部(田口計)と心ならずも関係する。だが、感づいた夫は彼女をホテルに指名すると、ライバル社の新車のデザインを盗めと命ずる。。。

■寺田路恵は文学座出身の新劇女優でお色気路線ではないはずだが、お話は完全にロマンポルノ。さらに大映ならではの産業スパイ要素をまぶした力作。なにしろ団地のベランダから団地奥さんが転落死する様をこれ以上ないくらい的確に描き出した宮下泰彦の演出が冴える。何気ない団地の引きの画の中で人体が自由落下し、地面に叩きつけられるのを1カットで怜悧に凝視する。リアルな重い効果音が絶妙。次のカットは俯瞰で団地の全景を捉え、無音のままでサブタイトルを出す。そして、カットが変わると血まみれの団地奥さんのアップに衝撃的な音楽が。完璧なショック演出だ。

■その後のお話も平凡な団地奥さんが小悪党(南原宏治)の歯牙にかかって転落してゆく残酷絵巻をキビキビと描き出す。夫の出世のために産業スパイを務める妻の姿は、増村の『黒の試走車』や『夫が見た』を彷彿させるが、実は夫にはもっと悪い企みがあり、という展開で寺田路恵は、夫婦ってそんなものだったの!?と狂ったように笑いだす陰惨な結末を迎える。

■ほかに新橋耐子、上田忠好という新劇俳優陣による風俗劇。ザ・ガードマンでは山浦弘靖が似たようなお話を量産していたわけだが、新橋耐子の役どころはほかの回では荒砂ゆきが演じたりしている。

■撮影:山崎忠、照明:高山清治、美術:井上章