フォックスキャッチャー ★★★★

Foxcatcher
2014 ヴィスタサイズ 135分
APV

フォックスキャッチャー [Blu-ray]
■デュポン財閥の御曹司が自らのチームメンバーであるレスリングの金メダリストを射殺した事件を映画化した本作、監督がベネット・ミラーなので、さすがに名画の貫禄。『マネー・ボール』と本作ですっかり名匠の仲間入り。ジョン・デュポン、マーク・シュルツ、デイブ・シュルツの奇妙な三角関係を描く。
■母親に認められず人格的に歪んでしまった御曹司ジョンがマークと自分自身も満足する師弟関係を結んでいたものの、それが仮初のもので、デイブとマークの兄弟関係の方がはるかに強固なものであったことを知った彼はデイブに激しく嫉妬する。
■所謂メンターが人生の師と訳されて台詞に頻出する。ジョン・デュポンは人生の師を家族にも友人にも得られず混乱している。マークもまた人生の師でもあったデイブを喪って自分の能力を正しく発揮できなくなる。そうした悲劇が、淡々と積み重なるエピソードによって描かれる。実際の事件や時間軸とは異なる脚色がなされているようだが、脚本の描き方には全く淀みがなく、腑に落ちないところが残らない。
■演出も演技も、なかなか日本映画ではまねできないレベル。ただただ静かに圧倒されて、目が釘付け。ベネット・ミラー、次は何を撮るのか?