パッセンジャーズ ★★★☆

Passengers
2008 スコープサイズ 93分
APV

■飛行機墜落事故の生存者のカウンセリングを行ううち、生存者たちが消えてゆく・・・航空会社の事故隠しの謀略かそれとも・・・

■というプロットだけでオチはもうわかりますよ。昔からよくある奇妙な味の短編のテイストですよ。トワイライトゾーンでもたぶんあったんじゃないかな。日本でもフジテレビの「奇妙な出来事」で同様のお話がありました。実際、ドラマを丁寧に描いたトワイライトゾーンという雰囲気で、それが大きな魅力。わかってはいてもついつい感動してしまいますよ。クレア・デュバルのエピソードなんて、ありきたりとはいえ実に感動的ですよ。

■なんだかトンデモ映画みたいな評判が多いので敬遠していたのだが、実はしっかりとドラマが描かれた良心的な映画で、スリラーとかショッカーのジャンル映画としてのわざとらしいお楽しみ演出は無しにして、ギミックじゃなくてじっくりと心理描写で見せる良い映画だよ。アン・ハサウェイの相方が誰かとおもいきや、好漢パトリック・ウィルソンじゃないか。すっかりジャンル男優として不動の地位を築いた彼だが、ここでもしっかりと漢気を見せる。最初は怪しげな神経質な雰囲気を漂わせながら、最後に大きな包容力を見せる。ラストの謎解きの回想場面は、やっぱり感動するよなあ。

■けっしてトンデモ映画でも、オチ一発の映画でもないしっかりとした映画なので、騙されたと思って観てください。

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