NHKミステリースペシャル『満願』第一夜&第二夜

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※この画像は著作権者の許諾を得ず一時的に転載したものにつき、近日中に削除します。
■いまのところ2作目までしか観ていないのだが、第1夜『万灯』(撮影・近藤龍人、演出・萩生田宏治)はスケールの大きな意欲作ながら、あまりピンと来なかったなあ。わざわざ海外ロケ(ラオス!)まで出かけるのは凄いが、西島秀俊役不足の感が。スケールが大きいんだか小さいんだか、ちぐはぐな印象。もっと大掛かりなお話でないと海外ロケのスケール感と釣り合わない気がする。
■一方、第2夜『夜警』(撮影・鎌苅洋一、演出・榊英雄)はかなりの秀作。若い警官の英雄的な殉職の裏に秘められた事件の真相をリアルなミステリーとして描くお話の展開も秀逸だったし、演出が的確なのに驚いた。榊英雄は俳優としても有名で、ゴーバスターズの黒木指令のあのおじさんなんだけど、好き好んでピンク映画なんかも監督しちゃう謎の人。第1夜は撮影に近藤龍人を充てる豪華なスタッフ編成だけど、第2夜の撮影も凄い。キャメラマンは知らない人なんだけど。ほとんどモノクロ映画というほどに色彩を抜き、影を多く配したルックで、悪く言えば非常に人工的な映像設計なんだけど、まあ、ハードでカッコいい。
■主演の安田顕は、容貌的に、ほんとは円谷のSFドラマなんかで怪演するのが一番ハマる人なんだけど、監督のこだわりもあり、今までにない複雑で微妙な役柄を力演している。殉職した警官の兄を演じるのが吉沢悠で、こちらも性格俳優一直線という感じで、弟の秘められた人間性を徐々に明かす語り口に本作のドラマとしての面白み、醍醐味がある。浮気を疑われる水商売の女が内田慈という人で、どこかで見覚えがあると思ったら、『きみはいい子』のあのお姉さんじゃないか。なんというか、ずっと昔から知っているような気がしてしまう不思議な存在感。
■いまやデジタル編集のカラコレで色調を自在にいじれるので、流血シーンもスプラッター度がただ事ではない。NHKのドラマでよくもこんなに流血したもんだと。流血というか、噴出してますけどね。第3夜が楽しみだなあ。脚本はミステリーに強い大石哲也

満願 (新潮文庫)

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