IT “それ”が見えたら、終わり。 ★★★☆

IT
2017 スコープサイズ 135分
イオンシネマ京都桂川

■『MAMA』の恐怖演出が鮮烈だったアンディ・ムスキエティが大抜擢されたスティーブン・キングの有名小説の映画化。ニューラインシネマの製作なので、かなりの大作。CGも当然多用されているが、CGアニメ大会にはならないように節制されているのも好印象。
■お話は子供冒険活劇で、最終的に活劇として収束する。監督が有能なので恐怖演出が粒だっているのは間違いないし、とにかく立体的な音響効果が凄絶なので2時間以上も観ていると疲れるのだが、これでもかという勢いとサービス精神の塊のような映画。撮影監督は韓国映画出身の名手チョン・ジョンフンで、韓国映画仕込みのエネルギッシュなキャメラワークはここでも健在で、実際韓国映画並みに濃い映画である。
■27年ごとに眠りから覚めて子供を食らう怪物が跋扈する呪われた街の因縁話はそこそこに、少年と少女のひと夏の冒険活劇としてテーマを絞ってしまったのは賢明だが、怪奇映画的な妙味が薄くなったのは確かだ。活劇がクライマックスとなるのだが、地下空間が舞台なので折角のペニーワイズの千変万化の変態ぶりが鮮明に見えないのはもったいない。ここはブルーレイ等で観た方が鮮烈だろう。
■大いに堪能できる映画だが、それほど良いとも思わない。ただ、ペニーワイズというピエロをモチーフにした怪物を手を変え品を変え強烈に描き切った監督の手腕は間違いない。