シクロナイズドモンスター ★★★

Colossal
2017 スコープサイズ 110分
Tジョイ京都

■アル中女が故郷に帰ってきて人生を観直そうとする中、ソウルに巨大怪獣が出現して被害が出る。ところが、その怪獣の行動が自分の身振りにそっくりなことに気づき・・・

■という一種の「奇妙な味」志向のSF映画。ヒロインがアル中生活から抜け出して成長してゆく(いったのか?)姿と、地元の同級生の男が自分の殻に閉じ込められて腐っている様子が並行して描かれる。しかも、コメディ映画ではなく、シリアス路線なので、観客によっては戸惑うかもしれない。正直、コメディ映画として作った方が納得しやすいと感じたな。お話としてはちゃんとツイストがきいているし、怪獣映画としても最低限の見どころは工夫されている。その意味では、十分に面白い映画だ。

■本来は東京を舞台としたかったらしが、どうも企画途中で東宝と訴訟騒ぎがあったらしく、ソウルを怪獣が襲撃することになった。実際、ソウルでロケも行われており、素直に東宝と組んで東京でロケしてくれれば最高な映画になったろうになあ。インディペンデントな映画だけど、映像のルック的には大作映画と遜色ないし、ソウルロケまであるから、アメリカのインディペンデントは邦画大作レベルなのだ。脚本、監督はナチョ・ビガロンドというスペインの人。

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