隻眼の虎 ★★

THE TIGER
2015 スコープサイズ 139分
DVD

隻眼の虎 [DVD]
■これねえ、明らかに後藤俊夫の『イタズ 熊』のリメイクなんだけど、そのことはどこにも書かれていないよう。監督は絶対『イタズ 熊』を観ているはずだと思うけどなあ。中盤まではさすがにお金のかかった大作映画で、CGの人食い虎も悪くないのだが、終盤は山の神のはずの虎を擬人化しすぎて一気に変な動物ファンタジー映画になってしまう。朝鮮最大最強の虎を仕留めようとする日本帝国陸軍も兵に大量の犠牲者を出しながら、大杉漣軍法会議にかけられることもないという、適当な描写ぶり。
■監督、脚本のパク・フンジョンは『生き残るための3つの取引』の脚本も書いている実力派だが、本作の演出は明らかに冗長で、特に後半はいったいどうしたの?という低調ぶり。人食い虎が猟師のもとに息子の遺骸を届けに来る場面は、全く噴飯もので、日本昔話(朝鮮昔話?)ならわかるけど、一応リアル路線のはずなので、開いた口が塞がらない。どうしてこんなことになったのか?後藤俊夫の『イタズ 熊』は実に深遠な傑作だったなあと改めて見直したくなったことだよ。