■なんとアマゾンプライムでHD版が観られるのを知って早速鑑賞。何年ぶりでしょうか。画質的にはDVDよりも綺麗という程度で、80年代の映画はレンズもフィルムもソフトフォーカスが流行ったおかげで、リマスターが難しいのだ。
■でも、やっぱり無類に面白い。下水道で巨大なブロブに追われるシーンから、ついに地上に現出する巨大ブロブ、さらに公民館に迫るブロブに追撃をかける逆転劇へと畳みかける名演出と、なんとも形容しようのない不定形生物ブロブのSFXの見事さで痛快このうえない。ブロブのSFXはもちろんCGじゃなく、プラクティカルエフェクトだけど、一体何でできているのかという謎の質感が、今見ても斬新。CGならもっと計算された無駄のない動きになるのだろうが、物理的な素材のその場の流れや転がりといった動きを生かしたエフェクトが実在感を大いに増している。その気色悪さの得体のしれなさがこの映画の大きな魅力になっている。メイキング映像が観たいんだけど、みあたらないなあ。
■調査団のメドウス博士の正体が徐々に判明してゆき、完璧な悪役と判定されるプロセスが上手いし、純粋な悪役の登場で終盤がおおいに盛り上がる。チャック・ラッセルとフランク・ダラボンの、オーソドックスながら精妙な作劇だ。もちろん、頼りになりそうなキャラクターが意外なタイミングで餌食になってしまうというジャンル映画のツボも見事に生かしているから、全くそつのない仕事。