嵐の三色旗 ★★★

A Tale of Two Cities
1934 スタンダードサイズ 128分
DVD

■お馴染みディケンズの『二都物語』のMGMによる映画化。監督はジャック・コンウェイ。さすがにハリウッド製だけあって、フランス革命を巡るスペクタクル描写のスケールの大きさは圧巻。何気なくフルショットに構えた画面に蠢くエキストラの数も凄いし、マット画合成も非常に効果的。ラストの昇天するカットの合成演出も非常に凝っている。このあたりはさすがにハリウッド映画という感じ。ただ、イギリス映画版を先に観てしまったせいもあり、かなり物足りない感じがするなあ。
■物足りさなの原因は、テーマ曲が太田胃散のCMでおなじみのショパンのあの旋律というのがどうも大きい気がするなあ。テーマの悲劇性に対して曲調が甘すぎる。それに比べるとイギリス映画版の音楽がその悲劇性において優っていると思うなあ。（続く）